小さな会社・小さなお店が儲ける法
効率的な営業活動をするにはお客様を良く知ることが必要
2009/11/13

●お客様は意外なところに住んでいた
商店の顧客データベースなら地域も限られているし、顧客の数量もそれほど多くないから、まずはお客様が住んでいらっしゃる場所を確認してみよう。

南側にあるJRの駅から徒歩10分、北側にある私鉄の駅からも徒歩10分という位置にあるMさんのクリーニング店では、1年前から顧客サービスとしてスタンプカードを実施。スタンプが20個たまると、Yシャツ1枚の無料クリーニングサービスまたは200円のキャッシュバックをしていた。
そのカードが150枚を越えたことから、Mさんは、地域で配られていた精細地図のお客様の住所に色を塗ってみたのである。カードが1枚だけのお客様は黄色、2枚あったらその上にピンクを塗るなどして、購入金額が多くなると色が濃くなるようにしていった。すると、店を取り囲むように存在していると思っていたお客様が、実際は北側に偏っていたのである。特に色の濃いお客様は全員北側であった。

これは、商圏の問題なのである。店の南側にあるJR駅近くにはスーパーが2軒もあって互いに競っている。それに対し、北側にある私鉄の駅側には小さな食品スーパーが1軒あるだけで品揃えも芳しくないから、私鉄駅に近い人もJRの駅の方に買い物に行く。つまり、JR駅側の商圏の方が強く大きいのである。
それに加えてクリーニング店という商売上の特性もある。汚れた服を持って長い距離を歩くのもイヤなら、仕上がった服を持って買い物もしたくない。つまり、依頼するときも引き取るときも家に近く、行動の動線上にあるのが行きやすいクリーニング店というものなのである。

この自作の地図を見てお客様の偏りがわかったMさんは、これまで店の周囲半径100メートルにポスティングしていたチラシを、店の南側を20メートルだけにして北側を180メートルに増やした。それにより、売上げを大きく伸ばすことができたのである。

Map_02

●RFM分析を何度もやるとお客様はいなくなってしまう
さて、次により科学的なデータベース活用について説明しよう。CRM(Customer Relationship Management)をキーワードとして、データベース・マーケティングは発達してきた。つまり、既存客(Customer)との良好な関係(Relationship)を維持し、ひいては収益性を増やすことを目的にして来たのである。

顧客データベースを構築すると、一般的にR:RECENCY(最終購入日)、F:FREQUENCY(累積購買回数)、M:MONETARY(累積購入金額)の3つを組み合わせたRFM分析をする。しかし、このRFM分析は、セルを作ってそのセルに名前をつけたものなのだ。Aさんを優良顧客と認定しているのではなく、R1F3のセルにいるからAさんは優良顧客という考え方。つまり、この時点でワントゥワン・マーケティングという意識からは外れてしまっていると言っていい。

Rmf

そして、RFMには時間軸が入っている。直近半年間のRFMを調べた場合、例えば直前の購入が7ヶ月前だと、それまでにどれだけ購入し、今後どれだけ購入する可能性を秘めていたとしても優良顧客にはならない。FやMも同様であり、別の期間を設定して分析してみると、まったく変わってしまうことがある。

健康食品のように常用する商品で、基本的に定期購入するものならば、RFM分析によって顧客を選択し、「有望顧客から優良顧客への引き上げ」とか「離脱防止」など、それぞれのコミュニケーション・シナリオを用意することは効果的である。しかし、靴やスーツのように、半年または1年に一度買うかどうかという商品もある。そこにRFM分析をしたのでは優良顧客はいなくなってしまう可能性もある。こうしたショップでは、クロスセルを考慮したコミュニケーションが望ましいのだ。

また、考えておかなければならないことは、顧客は常に買い続けるわけではないことである。他のお店で買ってしまうこともあれば、購買行動に関心を失う時機もある。そこで、販売者は顧客の購入パターンを考えて分析自体を組立て直したり、コミュニケーション・シナリオやコミュニケーションの質を考えていく必要がある。

例えば、先ほどのMさんのクリーニング店は、その翌年、お客様の生活スタイルを知り、便利さを追求することで売上げをさらに伸ばした。その手法は以下の通りである。
スタンプカードを作って顧客を特定した後、Mさんは来店頻度や購入金額とともに、そのお客様が出す衣服の種類、お客様が来店する時刻、来店する際の服装もデータとして蓄えていった。
すると、20代後半の男性A氏はいつも週末に来店し、主にYシャツを出して前週の分を引き取っていく。また、平日の昼間に来店される30代後半の女性Bさんは、男物のYシャツが主だが、時には女性用のブラウスや男の子用の上着が混じることもある。これで、ほぼA氏が独身のサラリーマン、Bさんが少なくとも男の子が一人はいる専業主婦だと推測できた。

そこで、Mさんは優良顧客サービスとして、Aさんにはスーツやスラックスの30%割引クリーニング券を、Bさんには何にでも使える20%割引券を渡した。さらにAさんには、夜間の集配を申し出るなどしたため、またまた売上げを大きく伸ばすことができたのである。

RFM分析は、元々が無駄なDMを出さないようにするために考えられたもの。つまり、基本的には顧客を切り捨てるための分析です。単純に分析ソフトを使うだけでは、データベース・マーケティングとは言えません。DMGは、効率的にデータを運用し、顧客を育成する方法を知っています。ぜひご相談下さい。

次回は、「本当に大事なことは何か?」と「平等にではなく公平に」をお届けします。