小さな会社・小さなお店が儲ける法

【7月22日更新】

 売上げが伸びない。景気が悪いから仕方がないとあきらめている方がいらっしゃるかも知れません。しかし、ちょっと考えてみてください。同じような商品を売っている店が近所にいくつもあるのに、お客様はどうしてあなたのお店で買ったり、他所の店で買ったりするのでしょうか?
 あなたのお店と他所の店は、どういう違いがありますか?また、あなたのお店はどういう理由でその商品を置いているのでしょうか?

●他店との差別化を図る
 他の店と違う、差別化を図るということは、店としてのコンセプトを持つということ。経営者として、あるいはマネージャーとしてのコンセプトを持つということでもある。

 我が家の近所にある居酒屋が、売上拡大を目指して昼食も始めた。しかし、駅からそれほど近いわけではなく、たいして人通りの多い場所ではない。そのうえ、残念ながらさほど料理が旨いということもないため、最初は閑散としていた。
 しかし、3ヶ月もした頃から徐々に繁盛しはじめた。マスターにその秘密を聞いてみたら、お米にこだわったのだと言う。知り合いに新潟魚沼の米生産農家を紹介してもらい、その人から直に買い入れ、それを毎日精米して竈で炊いているのだそうだ。つまり、自分が料理で特別なことができないことを認識し、できることで差別化を図ったのである。

 こういう試みはさまざまな業種で可能だろう。例えば、洗車技術で差別化を図っているガソリンスタンドもある。その店は、休憩室から洗車の様子が見えるようになっていて、大量の水と泡と二人一組で行う洗車作業をパフォーマンスとして楽しむことができる。すると、そのパフォーマンスを見ていたお客様が、俺の車も洗ってくれとなることも多いそうだ。

 もう一つ居酒屋の話。駅から徒歩3分ぐらいのところに、40歳半ばぐらいの夫婦でやっている店があった。温厚なこの夫婦には子どもがいないので、犬を飼うことにした。すごく可愛がっていて、犬を家に置いて二人で仕事に来るのが辛くなったようで、お店に連れて来るようになった。その犬も愛想のいい犬で、いつも店内の座敷にいて、お客様の膝元におとなしく座っていた。すると、最初は犬嫌いのお客さんもいたのだが、そのうち犬好きばかりが集まる店になったのである。
 その店が、夫婦の健康上の事情で売りに出て経営者が変わり、別の女将さんが一人で仕切る店になった。すると、今度は彼女が猫を連れてきた。きれいにされている猫がお客の膝に乗ったり、帰ろうとすると膝に手を掛けて引き留めたりするのである。そして、この店は次第に犬好きが減り、お客は猫好きばかりに入れ替わった。

 保健所などの問題はこの際置いておいて、猫カフェやドッグカフェでもわかるように、場所や場合によっては、犬とか猫がいるだけでもお客様は入る。犬のいる床屋さん、猫のいる美容室なども見たことがある。それが差別化になっているから、犬嫌いや猫嫌いの人は来なくなってしまうけど、店とお客様の間に濃いコミュニケーションが生まれ、繁盛する場合も多いようだ。

 しかし、最初に書いた近所の居酒屋は、そのうち徐々にまたお客の入りが悪くなってきた。やはりいつまでもお米の味だけではもたないのである。急場しのぎのウリは急場をしのぐだけの力しかない。時間稼ぎが出来ている内に、居酒屋本来の料理の味を研究していく必要があったのである。

●店や会社の立ち位置を考える
 店員やオーナーと気が合うから。何となく入りやすい。雰囲気がいい。商品知識が豊富で頼りになる。嘘をつかない。信頼できる。接客が気分がいい。私のことを知っていてくれる。これらは顧客が来店する要素である。

 適正な価格で欲しい物が必ずあるなら、それだけでお客様を呼べるだろうが、誰も彼も全員が満足する品揃えなどできるわけがない。そこで、少なくとも上顧客の希望を満足させる品揃えを目指すことになる。それにはお客様のことを知らなければならない。適切なコミュニケーションをとり、お客様の情報を収集して、最適な関係を創り出すことが必要になるので、ぜひDMGにご相談ください。

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 しかし、今や安ければ売れるという時代ではなくなった。1980年代初め頃から通販と安売り店が入り乱れて闘ってきたアパレル業界で、一時は全盛を誇ったセシールもユニクロやしまむらといった実店舗の前に苦戦を強いられている。さらに、ジーパン系の参入や外国メーカーの襲来もあって、それぞれの会社がどういうウリを前面に出したらいいのか悩んでいる状態だ。

 '84年に広島に1号店を出店し、西日本では安いアパレルとして有名だったユニクロも、全国に展開し、さらに東京都心に進出する際は「フリース」というプラスアルファを出してきた。そして、'04年には脱低価格宣言をし、ご承知のように現在はヒートテックなどの機能派素材を主力にしている。
 家具でいえば、イケアは北欧家具に特化しているし、ニトリは価格、大塚は高級感で勝負している。しかし、小さなお店・小さな会社には、こういった資本力で圧倒する企業と同じ戦略はとれない。かといって、ただ漫然と商品を置いてあるだけでは売れない。まずは、あなたのお店の立ち位置を考えなければならない。

●こんなお店もあります
 JRの郊外駅の西口と東口に"KK"(仮名)という店がある。基本的には子供服を中心にした品揃えだが、面白グッズのセレクトショップ展開もしている。
 この店のコンセプトは、徹底的に店員とお客様とのコミュニケーシヨンを密にすることである。まず、店に入ってグッズを眺めていると、「これ面白いですよ。こんな風に使うんです」という感じで、にこやかに話しかけられる。しかし、こちらが面倒そうな顔をしたり、興味なさそうにするとすぐ離れていき、深追いはしない。売りつける様子がないことに安心して、巧みな話ぶりに乗せられると嫌みにならない程度に話しかけてくる。

 そして、何かを購入すると無料で会員になることを勧められる。この会員カードの申込みは、単純に住所と年齢を書くというものではなく、店員に子どもの有無や趣味をYes,Noで尋ねられ、面白かったグッズなどについても聞かれたりするのである。
 その後、1週間も経たないうちにサンキューメールが届く。それには次に来店されたら「幸せの○○ちゃん」をプレゼントとすると書いてある。そこで、ついでのときに行ってみると、幸せの子ぶたをプレゼントされ、そのご利益が書かれたノートを見せられる。"KK"のお客様でご利益のあった人たちのコメント集である。そして、あなたもご利益があったら教えてくださいと頼まれる。

 その後も2ヶ月に一度ぐらいのサイクルでDMが届く。「オリジナル商品を作るのだが迷っています。いいと思うものに投票してください」というときもある。DMには、店長とそのお父さん、お母さん、2人の店員のプレゼンテーションが載っており、そのコメントが可笑しくて、あなたはついその投票に参加することになる。
 そして、投票に参加すると結果が知りたくなる。そこで、ついつい店を覗く羽目になるのである。

 毎回の購入時にはポイントが付き、いくつか貯まると店長が手を握りつつ歌うというような馬鹿馬鹿しいプレゼントがあったり(男性店長なので男性にだけプレゼント)、店長のヒゲを剃る権利をもらえたり、来店プレゼントなどもさまざまに趣向を変えて企画してくる。
 とにかくお店とお客様が家族的で緊密な関係を結べるように、手を変え品を変えてアプローチしてくるのである。

 こうしたプロセスを書きだしてみると、何とかして再来店に結びつけようとしていることがわかる。店員教育も徹底していて、とにかく親しみやすさでお店のファンを作ろうとしている。DMには金がかかるけど、馬鹿馬鹿しいプレゼントやコミュニケーションには金はかからない。こうしてお客様も巻き込んで、一緒にお店を成り立たせていこうという戦略は「お見事!」である。

【6月20日更新】

これまでずっと、どうしたら経営を安定させられるか、利益を増やすことができるかということを考えてきました。その解決策は、まず第一に売上げを増やすことです。そこで、これまでの考察をもう一度まとめておきたいと思います。

●顧客のステージを上げる
 まず、費用をかけずに売上げを増やすには、何といっても今実際にいらっしゃるお客様を優良顧客にすること。しかし、顧客を優良顧客にしてLTV(生涯価値)を高め、さらに離脱を防ぐためには、適切なコミュニケーションを創り出し、継続していく必要がある。

 売上げの70~80%を20~30%の顧客が占めているというのが、有名なパレートの法則。店舗・企業にとって、この20~30%が優良顧客なのである。自宅からのアクセスなどのファクターもあるでしょうが、このお客様たちは、店のつくりとか品揃えとか販売員の態度とか、全体の雰囲気とか、何かを気に入ってくださっている。だから、購入回数や購入金額が多いのである。

 しかし、怖い話ですがこの優良顧客は離脱します。また、店員や従業員が一番嫌な客が、この口やかましくてワガママな優良顧客だったりもする。
 優良顧客は、この店や企業が好きだから何度も買い物をしている。そして、もっと良い店になって欲しい、もっと店の人たちに分かって欲しいと思っているのかも知れない。ところが、お店や企業がいつまでもそれに応えられず、適切なコミュニケーションがとれないと突然離脱する。本当に突然、無言の内に姿を消してしまうのである。

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●キーワードを再考してみよう
あなたの会社・店舗では、これまでに述べてきたことはできているでしょうか?再度確認してみましょう。

○あなたの会社・店舗の特長は何か?
あなたの会社(店舗)は、
・何を売っているのか?(日用品か、特別の日の物か、耐久消費財か、贅沢品か、など)
・誰に売ろうとしているのか?(若者向け、主婦向け、シニア向け、など)
・販売エリアはどこか?(特定地域か=その地域の特色は?、全国か)
・あなたの会社や店舗にコンセプトはあるか?

 このように商品構成、顧客ターゲット、企業コンセプトなどを列挙し、あなたの会社(店舗)の存在意義を言葉にしてみましょう。でも、単純に利益を拡大したいなどというものではなく「地域の人たちの豊かな暮らしに関わること」といった社会的に意味を持つものにした方がベター。こうした存在意義があると、困ったとき、迷ったときの行動指針になるのである。

○お客様の登録方法はあるか?
 通信販売だと注文や発送伝票から顧客データベースを構築していくことができるが、店舗の場合はそうはいかない。そこで、会員制度やポイントカードによって顧客データを獲得する。
 しかし、時々見かけるがポイントカードに住所・氏名などを書く欄がないのでは、何のためにポイントカードを作っているのかわからない。ポイントシステムは顧客データを取らないと単なる値引きだけになってしまうのである。

 ポイントを付与した日時の記入欄がないと来店頻度がわからないから、再来店を促す役目しか果たせない。それとは逆に、来店日だけでなく来店時間もわかると、そのお客様の行動パターンを推測できる。すると、そのお客様に合わせた適切なサービスを考え出すことができるようになる。大切なデータを掴むには、事前にしっかり考え抜いた項目作りが必要なのである。

 必要事項は、基本的には氏名、住所、生年月日、性別、購入日、購入商品ジャンル、購入金額などである。業種、業態に応じたデータ項目とデータベース構築には、DMGのように経験豊富な企業の知恵を活用していただきたい。

○顧客のことを知る方法はあるか?
 ポイントカードの記載項目などを熟考し、最適なリレーションシップを実現し、控えめで温もりのある対応をしているかを考えてみよう。
 難しいリレーションシップシナリオの制作は、経験豊富なDMGが得意とする部分。某保険会社のCMのように馴れ馴れしいのが優れたリレーションシップではない。しかし、かといって慇懃無礼なのはもっての外。肝心なのは、バランスの良さである。

 そして必要なことは、作成した顧客データベースをしっかり活用し、お客様の好みや動向を把握することである。例えば、大学生だった頃と社会人になってからのニーズや好みは当然変わってくるし、時代の変化もある。購入履歴をよく見ていれば、1年前まではスニーカーやサンダルしか買わなかったD君が、黒や茶の革靴を買うようになったことがわかるはずだ。

 18歳とか22歳近辺のお客様は人生の大転換期に当たっている。生活が変われば、購入傾向も変わるし、行動エリアが変わればそれまで頻繁に来てくれていたお客様も来れなくなってしまう。そこで土・日・祝にセールをするような対策を仕掛けるかどうかも考えなくてはならない。

●データをじっくり見直す
 売上げは顧客数×頻度×平均買上点数×平均買上商品単価に分解することができる。この数字を点検していくと、今あなたの店舗の抱えている問題や、売上げを増やすにはどうしたらいいのかがわかってくる。
 データを分析して出てきた答えに、店舗の特性や営業エリアの特性を考慮しながら、どこが足りないのか?どこを伸ばすべきなのかを考えて実施していけば、売上げは改善されるはずである。

 月間の顧客数が満足できる数なのに、売上げが予定よりも低いのなら、頻度か平均買上価格が低いことになる。来店客数が予定通りで一点価格にも変化がないのなら、品揃えに魅力がないことが考えられるからMD(マーチャン・ダイジング)の見直しが必要。さらに、売り場のレイアウトや商品の配置なども再考してアップセル、クロスセルを促進するようなMDをしていくことが重要になる。
 また、平均買上点数×平均買上商品単価が思い通りなのに売上げが上がらないのなら、来店顧客数が少ないのだから、イベントやセールなどの企画が必要になってくる。

●特性を突き詰めて考える
 スーパーマーケットとセレクトショップでは、ターゲットが違うから、単純に真似してみてもあまり意味はない。また、同業他店で儲かっているところのやり方は参考にできるが、規模や人通りなどの環境が違えば、そっくりそのまま真似しても仕方ないのかもしれない。

 まず、自分のお店と商材の特性をしっかり考えてみることが大切だ。日用品なのか贅沢品なのか、どのくらいの頻度で必要になるものなのか、お客様は一度にどれくらいの量を買うのか。そして、あなたのお店の立地はいかがなものか。あまり人通りの多い場所でなければ、自分の方から近くに寄っていけばいい。つまり、ご用聞きなども考えればいいのである。

 そして、お客様のことを知り、希望を管理させてもらうという考えを持つことが大事である。何となく顔を知っているから何度か来てくれているお客様だとか、話したことがある気がするといった、曖昧な記憶に頼った顧客管理をしていては安定経営は望めない。その理由は、お客様の好みを知らなければ適切な品揃えはできないからである。

●アップセルとクロスセル
 売上げアップの単純で最良の方法は、平均売上げ価格を上げること。つまり、アップセル、クロスセルである。

 昔、おむつとビールというクロスセルがあった。アメリカでは「おむつを買った人はビールを買う傾向がある」というマーケティング分析の事例で、データマイニングと一緒に語られることが多かったらしい。
 1992年12月に「ウォールストリートジャーナル」に掲載された「米国中西部の都市にある店では、午後5時に紙おむつを買った人は次にビールを半ダース買う可能性が大きいことを発見した」という記事が発端とされる。
 「米国の大手スーパーマーケット・チェーンで分析した結果、顧客はおむつとビールを一緒に買う傾向がみられた。そこで調査の結果、子どものいる家庭では母親はかさばる紙おむつを買うように父親に頼み、店に来た父親はついでに缶ビールを購入していた。そこで、この2つを並べて陳列したところ、売上げが上昇した」というものであるが、スーパーの名前がウォルマートになったりセブン-イレブンになったり、木曜日になったり週末になったり、いろいろなパターンが登場したことから伝説の類と考えられる。

 しかし、こういった法則があるとしたら、そしてそれをあなたが見つけたとしたら素晴らしい結果が待っているだろう。冬、鍋の時期に白菜の側にカセットガスは置いてあるだろうか。蕎麦やうどんの脇に割り箸は置いてあるか。給料日直前の食卓は安価な食材が最善だろうから、もやし中心のメニューを考えてレイアウトしてみる。こういった消費者の気持と行動を追ってみることが必要なのである。

【5月22日更新】

●本気で仕事をしないと顧客はいなくなる
 顧客のLTVを高めるには、顧客を優良顧客にし、さらに離脱しないように適切なコミュニケーションを創出し、フレキシブルにコミュニケーションをとり続ける必要がある。
 商売人には怖い話だが、優良顧客は離脱するものである。そしてまた、店員や従業員が一番嫌いな客は口うるさい客であり、この人たちは往々にして累積購入金額の多い優良顧客なのだ。

 この優良顧客は、あなたのお店が好きだからいつも買いに来るし、あなたの会社やその商品が好きだから何度も買うのである。だからこそ、あなたのお店に要望や言いたいことが出てくるのだ。もっと良い店になって繁盛して欲しいと思っているし、もっと店員さんたちと商品について話したいこともあるだろう。
 つまり、適切なコミュニケーションが取れていれば、誰よりも強い味方になってもらえるのに、それができないから離脱する恐れが出てくるのである。それもきちんと怒ってくれれば直しようもあるし、謝ることもできる。しかし、本当に突然に、無言の内に姿を消してしまうのである。

 ヘビースモーカーのAさん宅では、5年以上前から、家の近くにあるコンビニエンスストアに好みの銘柄のタバコを取り寄せてくれるように依頼し、週に2カートンずつまとめ買いをしていた。ところが、依頼して2年ぐらい経った頃から同じ銘柄を買う別のお客が現れたらしく、2回に一度は「すみませ~ん。今切らしているんです。○曜日には来ますので…」と、愛想良く言われるのである。
 タバコというのは嗜好品である。煙が出れば何でもいいというものではない。Aさんは仕方なく、家からはだいぶ遠いが、必ずその銘柄を置いてあるたばこ屋を探し当て、コンビニで買えなかったときはそこまで足を伸ばしていた。そして、そんな状態が2年以上続いたとき、Aさんは秘かに「この店にはもう来ない」ことを決めた。

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 Aさんは、それまでそのコンビニでタバコだけを買っていたわけではない。タバコのついでに色々な買い物もしていた。このコンビニは、顧客にしっかりと対応した仕入れをしなかったために、AさんのLTVすべてを失ったのである。
 なぜすぐに、もう少し多めに仕入れることができなかったのだろうか?「すみませ~ん」と口では言っていたが、本当に申し訳ないという気持などなかったのだろう。結局、本気で真面目に商売をしていないということである。
 そして、その後Aさんは友人たちにその店に買いに行かない理由を話すことがあるかも知れない。それまでそのお店と親しくしていたAさんの言うことだけに説得力がある。こうして友人たちもまた姿を消してしまい、彼らのLTVもすべて失うのである。

●顧客離脱の要因
 アメリカでのデータでは、顧客の離脱の68%は従業員の無関心な態度だそうだ。
 テレビや映画で見るアメリカの店員の態度は、日本のそれとはちょっと違って雑な感じがしたり、逆にひどく馴れ馴れしかったりする。また、ちょっと前までの中国でも、愛想なんて必要ないと考えられていたようで、旅行に行って不愉快な思いをした人は少なくない。

 終身雇用を前提としていた昔の日本では、働いている会社やお店は自分たちみんなのもの。だから良くしよう、お客様にも良く思っていただきたいという気持があった。だから、無理なく笑顔で応対していけたのだろう。
 家族的な雰囲気を持っている企業でないと、心地よい家族的関係構築マーケティングはできないのかも知れない。従業員を使い捨てにするようなお店からは、本物の笑顔の応対が少なくなってきている。

 今年のゴールデンウィーク明け、契約しているレンタルサーバの具合が悪くなり、アクセスできなくなったりメールが届かないという事態が発生した。連休明けでアクセスが集中したからだろうと考え、午前中は静観していたが、午後になり夕方になっても正常な状態に復旧しない。何度かアクセスを試みているとたまにメールサーバーまでたどり着くことがあり、先方が午前10時頃に出したメールと午後3時ぐらいに出したメールが混在して届くような状態であった。
 しかし、届いていないメールがあるとわかるとひどく不安になった。そこで、管理者用のIDでログインして状況を尋ねようとしたがやはりアクセス不能。致し方なくパンフレットに書かれていた本社の電話番号に電話してみたら、留守番電話に空しく17時過ぎのため今日の業務は終了しましたと伝えられた。

 これで怒らない人はいない。使う人の身になった対応がまったく疎かにされているのだ。緊急の場合なのだから、説明できる人を電話口に配置しておく。たったそれだけのことにも思い至らない会社である。これでは、その後どんなにいいことを言おうと、誰も信用しない。どんなに頑張って価格的なサービスをしようと、誰もありがたいとは思わないのである。

●信頼すれば自分も信頼される
 家族的関係構築マーケティングの基本にあるのは信頼である。お客様に対する信頼、働く会社に対する信頼、同僚に対する信頼がないと、スムーズに親身な対応はできない。ネットショップや通信販売は直接顔が見えないだけに、顧客を信用するかしないかが大きなポイントになってくる。

 例えば、ある地方の海産物加工メーカーU社は、全国的ではないが知る人ぞ知る優秀な商品を作っている。そして、電話をすれば宅配便の代引で送ってくれる。
 CさんはU社の製品を毎月1ケース買い続けて3年以上になる。味には満足しているのだが、だんだん不満が溜まってきているのを隠しきれない。それは、代引しか使えないことである。宅配便の料金を上乗せされるのは致し方ないとしても、代引料金315円(税込)がどうしても納得できなくなってきているのである。商品代金は1ヶ月5,000円程度という小さな顧客だが、もう3年間も毎月購入しているのである。U社は何年付き合っても顧客を信用せず、毎月無駄な代引料金を払わすのだろうか。
 こうしてU社は自社の収入にならないところで、顧客の反感を買っていることにまだ気づいていない。それは、相手の立場で一つひとつの事柄を見る姿勢がないからである。つまり、親身になる感覚が欠如しているのである。

 もう20年近く前のことだが、ランズエンドというアメリカのアパレルメーカーが、画期的な戦略を携えて日本に上陸した。この会社の主たる戦略は、「いつでも、いかなる理由でも商品の交換・返品に応じる」ギャランティ・ピリオドというシステムである。通信販売や訪問販売では契約を解消できるクーリングオフ期間が決まっているが、ランズエンドはそれを永久に可能にしたわけである。
 その戦略のコンセプトをランズエンドは、「私たちはお客様の親しい友人になりたい。親しい友人なら、あなたの希望に従って返品や交換に応じることでしょう。私たちランズエンドは、あなたの友人だから希望をかなえるのです」と語っていた。こうして製品の優秀さを誇示するとともに、顧客の安心感を高めていったのである。
 そして、ランズエンドは、この戦略によって本国アメリカで急成長したが、それに費やしたコストは売上げの4%程度だそうだ。つまり、売上げの4%で消費者の絶大な信頼を得るという、どんな広告よりも大きな効果を上げたわけだ。

 こうして、日本のアパレルメーカーから脅威として迎えられたランズエンドだったが、意外にも日本ではそれほどの成果はあげていない。それは、日本の消費者はアメリカよりも大人しく、汚してしまったのに交換してくれとか、返品させて欲しいとは言わないから、ギャランティ・ピリオドの効果がなかったのかも知れないし、スタッフに企業コンセプトがしっかり浸透していなかったのかも知れない。

次回は「売上げ増大計画」です。

【4月22日更新】

●顧客の創出と拡大
安定経営のためには、地域にいる顧客予備軍を顧客に、顧客を優良顧客に育てていくことが望ましいが、もしも地域の40%以上の顧客獲得を達成し、なおかつ売上拡大を目指すなら、多店舗展開かネットショップへの進出を考えなければならない。
以前は、多店舗化を目指して社長らしき人が「目標○○○店」など声高に告げるテレビCMをよく見たものである。最近でもやはり多店舗化は企業経営者の夢なのだろうか。脱サラして始めたラーメン店や居酒屋のオーナーでも、やはり多店舗化を目指す人は多いようだ。
大量仕入れによるコストダウンが最大のメリットだろうが、コストダウンの限界は当然あるはず。最も効率的なスケールがあるわけだから、それ以上に出店する必要はないし、無理して顧客数増だけを考えることはない。店舗数を増やすことに夢中になったため、条件の悪い場所に出店し、その店が足を引っ張って全体の経営まで危うくするケースも出ているのである。

●今後のターゲット
今、商圏を広げることなく顧客の創出を図るなら、高齢者対応のマーケテイングを手がけるべきだ。若い頃だったら何でもなかった変更が大きな障害になるのが高齢者の特徴である。
昔、東京の電話の市内局番が足りなくなり、3桁から4桁になった。当時のその変更は、単に市内局番の頭に3または5を付けるだけだったのだが、ただそれだけのことで電話をかけられなくなった高齢者がいた。若者が簡単に順応できる変更でも、高齢者には難しいこともある。
今後の地上デジタル放送への変更で、現在充分機能しているテレビが使えなくなる。テレビ番組を見ることができるから買ったテレビを、まったく使えないものにしてしまうことが許されるのかどうかは大きな問題だが、地上デジタル対応テレビのCMでわかるように、テレビを買ってくれば即デジタル放送が見られるというわけではない。カードを差したり、その他の設定もある。今、テレビのほとんどが家電量販店で売られていて、詳細な設定まではやってくれない。だから、高齢者の家庭では、地上デジタル対応テレビを買ったものの、未だにアナログ放送を見ている人が多いのである。
ここに、地域の電器店の入り込む余地がある。各家庭を回ってデジタル対応の設定をしてあげる。今、街の電器店はこうした活動をすることで、お店の固定ファンを増やすべきなのだ。現在、家電量販店としてダントツの第1位を誇るヤマダ電機だって、最初は群馬県前橋市の一電器店として、地域の家庭を回って行った配線や修理などのサービスを通じてお店のファンを育成していったのである。
今後はさらに社会の高齢化が進む。高齢者はどうしても自分でできないことが多くなる。今こそ『ご用聞き』が必要な時代なのである。

●ネットショップの可能性と費用
先に述べたように、商圏を広くして顧客を創出する方法は、多店舗展開するかネットショップに進出するかである。売上げが順調に伸びていて、商圏の限界まで来ていると感じたら支店を出すことも考えるべきだろうが、商圏から人が去り、周囲に店がなくなってシャッターが閉まってきたというエリアで商売しているなら、広い範囲から顧客を呼び込むためにインターネットショップやモバイルショップも考慮に入れるべきである。
店の近辺にはせいぜい4万人ぐらいしか顧客予備軍はいないが、ネットの中には1億人近い人がいる。その0.001%でも取り込めたら10万人である。これがネットに出店する意味である。
店舗開設の費用は要らないし、ホームページ作成もメールマガジンを出すのにも大した費用はかからないという大きな利点がある。このため安易に参入しがちだが、ネットショップは星の数ほどもあるから、オープンしただけではお客様は来てくれない。お客様を呼び込む方法を、知恵を絞って考え出さなければならないのである。その方法として様々なツールやサービスが用意されているが、これにどれだけの資金を投入できるか、またすべきかが問題になるから、DMG(ダイレクトマーケティンググループ)に相談していただきたい。
ホームページを見に来てもらわなければならないし、来てもらったらお客様になってもらわなければ意味がない。そこで、ネット内の広告も考えるべきだ。まずはリスティング広告から始めるのが常道だろう。
さらに、SEO(検索エンジン対策)やアフィリエイトも行ったり、モニターキャンペーン等を企画して商品を無料配布してネット広告を展開すれば、単に広告だけでなく、キャンペーンサイトも作らなければならない。結局、大きな成果を上げようと思ったら、ある程度の投資は考えておかなければならないだろう。

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●何かにこだわって手堅くいこう
ネット内の広告では、ターゲットをしっかり定めたコピーが必要だ。万遍なくみんなを取り込みたいなどと思ったら誰も取り込めない。「私に向かって言っている」と思わせる、ハッとさせるようなコピーが必要である。
前項である程度の投資は必要と述べたが、ネットでは意外なサイトが人気になることもあるし、意外な商材が健闘することもある。それは基本的な人口が多いからであり、ニッチの需要数も莫大なのである。初期投資があまり掛けられないのなら、ニッチな商材を選ぶべきである。
以前は、関西にある傘屋さんが一世を風靡した。現在は東北地方の靴屋さんが年商数億円を売上げているそうである。その靴屋さんは実店舗を持っているが、お客は1日に2,3人しか来ない。ところが、ネットからの注文で、発送センターはてんてこ舞い状態である。傘屋にしても靴屋にしてもなぜそんなに注文が来るのか?それはこだわりである。そんじょそこらでは買えないものを扱っているからである。

●欲をかくと魅力を失う
反面教師としていただきたい例もある。
通信販売の最大の魅力は居ながらにして買えることだ。その魅力は、特に産地直送で顕著である。以前、東北のある県産品だけを扱っているサイトがあり、メルマガもその県らしい情報を伝えていて楽しいものであった。
このサイトが人気になり、発送センターを拡充したのだろう。広げたキャパシティを埋めるためか、どんどん扱い品目を広げ、ついには他県の有名商品まで扱うようになってしまった。
すると、全然魅力がなくなってしまったのである。躍動感がなくなり、サイト全体が楽しくなくなった。また、メルマガも従来の担当から他の人に移行したため、通り一遍のものになってしまったのだ。
ネットの場合、実店舗のエリアとは比較にならないほど競合店舗が多く、エリア内のノンカスタマーも多い。大事なことは何よりも差別化であり、魅力の作り方こそが成否を決めるのである。

次回は「優良顧客はそっと離脱する」です。

【3月18日更新】

●売上げをじっくり見直す
売上げは、顧客数×頻度×平均買上点数×平均買上商品単価に分解することができる。このように分解すると、今あなたの店舗の抱えている問題や、売上げを増やすにはどうしたらいいのかがわかってくる。
売上げデータを分析して出てきた答えに、店舗の特性や営業エリアの特性を考慮しながら、どこが足りないのか?どこを伸ばすべきなのかを考えて実施していけば、売上げは改善されるはずである。

売上高が、顧客数×頻度×平均買上点数×平均買上商品単価であるということは、「客数は、顧客数×頻度」であり、「販売数量は、客数×平均買上点数」である。また、「一客単価は、平均買上点数×平均買上商品単価」であり、「顧客一人当たり売上高は、頻度×平均買上点数×平均買上商品単価」、「顧客一人当たり平均販売数量は、頻度×平均買上点数」である。

当月の売上げに満足できない場合は、顧客データベースをじっくり調べてみることだ。
顧客数と一人当たりの売上高が予定通りなのに売上げ金額が低いのなら、問題は顧客の来店頻度にある。今月はお客様に来ていただけなかったから売上げが少ないのである。
だとすれば、イベントやセールなどの企画が必要になってくる。一般に日本人は理由のない特売には警戒感を抱く傾向があるようなので、何か理由を付けて「感謝セール」と銘打って行えば良い。他にもお客様に納得していただけるセールの名称は、「決算」「円高差益還元」「生活応援」「景気向上祈願」などいろいろある。そして、顧客データから弾き出した今月買ってくれそうなお客様に、お客様の好みに合うと思える商品をご案内するのである。

また、来店客数が予定通りなのに売上げが不足しているのなら、一客単価が落ちていることになる。平均買上商品単価にも変化がないのなら、品揃えに魅力がないことが考えられるからMD(マーチャン・ダイジング)の見直しが必要。さらに、売り場のレイアウトや商品の配置なども再考してアップセル、クロスセルを促進するようなMDをしていくことが重要になる。

●売上げをアップさせるには
商圏(営業エリア)にいる人たちを顧客にし、さらに多くの顧客を頻繁に来店してもらえるお客様にして、最終的に多くの商品を購入していただくことが売上げをアップするということである。
ただし、顧客数がいくら多くても、今月来店して買ってもらえないと、今月の売上げは増えない。そして、今月買っていただけるということは、今買いたくなる商品を揃えるということである。しかし、難しいことではない。顧客データベースを活用してお客様を知り、良い関係を保っていければ、売上げを増やすことは可能である。

商店の場合なら、常に目を配っていなければならないことは、
・お客様とバランスの良いコミュニケーションを取れているか
・リレーションシップシナリオに問題はないか
・商品提案と商品の見せ方に問題はないか
・従業員の接客技術と商品知識は満足できるレベルにあるか
などであり、要因が分かれば改善案を出すことができる。

この中で、難しいリレーションシップシナリオの制作は、経験豊富なDMG(ダイレクトマーケティンググループ)が得意とする部分。さらに、お客様との関係を深めていくリレーションシップの点検もご相談いただきたい。某保険会社のCMのように馴れ馴れしいのが優れたリレーションシップではない。しかし、かといって慇懃無礼なのはもっての外。肝心なのは、バランスの良さである。

そしてそして一番肝心なことは、顧客データベースをしっかり活用し、お客様の好みや動向を把握することである。
例えば、大学生だった頃と社会人になってからのニーズや好みは当然変わってくるし、時代の変化もある。購入履歴をよく見ていれば、1年前まではスニーカーやサンダルしか買わなかったD君が、黒や茶の革靴を買うようになったことがわかるはずだ。

こうした視点は、DM(ダイレクト・メール)を出すときにも必要になる。購買履歴だけを見ているとまったく意味のないターゲットに向けて発信しているケースもある。年齢等も考慮して、お客様の生活を推測してみることも重要なのである。
18歳とか22歳近辺のお客様は人生の大転換期に当たっている。生活が変われば、購入傾向も変わるし、行動エリアが変わればそれまで頻繁に来てくれていたお客様も来れなくなってしまう。そこで、例えば土・日・祝にセールをするような対策を仕掛けるかどうかも考えなくてはならない。

また、顧客データをよくみていれば、お客様全体の年齢が上がってきたなどの傾向もわかる。それがわかったら商品構成も変える必要が出てくる。固定客はありがたいものだが、みんな一緒に歳をとるから、商店主は気をつけて変化を見逃さないようにしなければならない。いつまでもお客様は変わらないと考えているお店は、お客様から見放され、衰退に向かって突き進んでいくことになる。

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●顧客と一緒に店も成長する
お客様の成長によって売れる商品が変わっていく例としては、ゴルフショップがある。
最初、ゴルフを始める前にクラブセットを買いに来たお客様は、用具のこともゴルフのこともほとんど何も知らない。そこで、まずは初心者から中級者用の打ちやすいセットを中心に勧めることだろう。それが、しばしばボールを買いに来るようになり、ドライバーやパターを吟味するようになってくると、もうビギナーとは呼べないレベル。そこで、中級者から上級者用のアイテムをお勧めする。

しかし、ここでショップのオーナーは選択を迫られるのである。こういうお客様と一緒にショップの品揃えを変えていくか、やはりビギナー用を中心に揃えるべきかである。両方できればそれに越したことはないが、店舗が狭い場合には苦渋の決断が必要になる。
ゴルフ雑誌も同様の問題に悩んでいる。ビギナーだった読者も1,2年経つと上達してくる。すると、書かれている内容が幼稚に見えてくるし、作っている編集者だって継続読者に合わせて内容を高めていきたい気持が強くなってくる。しかし、ゴルフ雑誌の場合でいうと、読者とともにレベルアップしていった雑誌は、最終的にほとんどが廃刊の憂き目にあう。ゴルフ雑誌の読者は圧倒的に初心者が多いからである。

あなたのお店が誰をターゲットにしているのか、レベルアップしていった方がいいのか、レベルアップしたお客様には個別対応していくべきなのか。ここを考えるのが経営者やマネージャーの手腕だが、DMGなら客観的なアドバイスをすることができます。

次回は「経営者はなぜ多店舗化したがるのか」を考えます。

【2月25日更新】

●マスマーケティングは安売りマーケティングか?
多少は光明が見え始めた業種もあるようだが、まだまだ世界的不況の中で喘いでいる状態。二番底を心配する声もあるし、日本には少子高齢化の問題もある。この先、高度成長は望めないにしても、じんわりと成長していきたいものである。
人口は減少傾向を示し、家計収入も増加しないことから、高度成長を支えた大量生産・大量消費、そしてマス・マーケティングは、すでに曲がり角を越えてしまった。今やマス・マーケティングは、安売りしかできないように見える。

昨年春にユニクロが990円のジーンズを発売し、その後イオンが880円を出して、秋には西友が850円のジーンズを発売した。牛丼は再び280円で提供する店が現れ、250円のコンビニ弁当も出てきた。
そして、「ユニクロ栄えて国滅ぶ」~自分さえ良ければ病~という、エコノミスト浜矩子氏の記事が話題になった。格安商品だけが生き残るようになると、過激な安売り競争がコストを圧縮させ、労働者の賃金切り下げを招いて、国家的に負のサイクルにはまり込んでいく。つまりこのような、自分だけが勝ち残ればいいという考えは、社会全体では不利益を生んでいるのだ。というような主旨である。

この記事に、当事者であるユニクロの柳井氏が、ユニクロの客単価は上がっている。安いだけの商品はもう売れない。ユニクロが990円ジーンズを売り出したのは付加価値のある商品を低価格で提供しますという宣伝効果を狙ってのことであり、最初にやったからニュース性がある。二番煎じでは意味がない。と週刊現代誌上で反論している。しかし、三番煎じだった西友のジーンズも予想の3倍売れているそうで、やはり、安売り戦争を誘発していると言われるのも致し方ないことだろう。
この論戦には、その後も賛否両論出てきているが、マスコミがこれまでのように単純に安いぞ安いぞうれしいぞという論調でなくなったことだけは感じられる。

しかし、いずれにしても小さなお店や小さな会社は、こういった安売り競争に加わる体力もないし勝算もない。あくまでも付加価値で勝負していくべきなのだが、どんな要素を加えればいいのだろう。品質、デザイン、サービス、さらに企業としてのコンテンツ、ストーリーなど、様々なファクターが考えられる。当事者では気づかないところも多いだろうし、間違ったら取り返しがつかないから、ぜひDMGにご相談ください。
また、これまで疑いを持たずに実行してきたマーケティング活動には、顧客の消費行動とのギャップがあって、利益を縮小させていた部分もある。このあたりを見直すことも必要になってきた。

●お客様の志向を先取りする
物余りの時代になり、物品がほとんどの人たちに行き渡ると、極端な安売り商品を望まない消費者は、他人とは違うモノ、自分だけのモノを欲するようになった。

例えば、安価な衣料品を揃えていることで知られる「ファッションセンター・しまむら」には、まったく同じデザインのウェアは置いていないし、「ファーストリテイリング・ユニクロ」も色数を増やし、以前のように繁華街で見回すと何人かが同じ商品を着ているという事態は避けられるようになってきた。同じファストファッションのH&Mも商品の回転を早めて、他の人とカブらないようにしている。
安さだけを追求している感のあるスーパーのPB(プライベート・ブランド)でさえ、品質を高めたり、カラーバリエーションを豊富にしてきている。西友の衣料品PB「ジョージ」は最新の流行を取り入れているし、イオン系のPB「トップバリュ」のパンツは8色での展開をスタートさせた。
個性なき大量生産-大量販売は過去のものとなり、小ロット多品種生産の時代である。ただし、現在小ロット多品種が成立しているのは、中国や東南アジア諸国などとの賃金格差のおかげだから、これから先どうなるかはわからない。

しかし、一口に他人と違うものといっても、ただ違えばいいというものではない。お客様がこだわる部分もあるだろう。その人にとって本当に必要なことは何なのだろうか。デザインなのか着心地なのか、あるいはそのどちらでもないのか。お客様が年齢を重ねていくと価値観が変わってくることも考えられる。そうした志向の変化も顧客を知る努力を続けていれば、先取りできる。すべてのビジネスチャンスはお客様を知ることから現実になるのである。つまり、顧客データベースが必要ということである。

●買いたいときに売ってない不思議
マス・マーケティングの時代ではなくなっているのだから、売り場ももう一度考えてみたい。
これまでアパレル業界のマス・マーケティングは、季節の先取りを企画してきた。真夏には秋物を、真冬には春物を売り場に並べ、大量のCMを流して告知していったのである。しかし、本当にそれで良かったのか?
消費者は本格的に寒くなった時に厚手のコートが買えず、猛烈な残暑の時期の店頭には長袖のポロや秋物のセーターが並んでいたのである。これは消費者にとって不幸なだけでなく、ショップにとっても大きく売上げを落とす行為だったはずだ。

日本には世界に誇れる四季がある。この四季は、消費行動を刺激してくれるものである。夏は暑く、冬は寒い方が総合的な景気だって良くなるもの。この「シーズン・バリュー」を、有効に活用すべきである。
マーケティングに先取りは必要なことなのだが、現場で起きている需要にも対応する姿勢がなくてはならない。こういう不思議なマーチャン・ダイジングはお客様の欲求をしっかりと見つめ、きちんとコミュニケーションを取れていればあり得ない話なのである。

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●安定の秘訣は痒いところに手が届く対応
商売のエリアを広げて顧客を創出することは常に考えていなければならないことだが、物理的に顧客数の飛躍的な増加は難しい時代になってしまっている。そこで、これからは現実にいらっしゃるお客様との関係を密にして離脱を防ぎ、お店や企業のさらなるファンになっていただいてLTV(ライフタイムバリュー:顧客が生涯にわたって持つ企業にとっての価値)を高めることが、より重要になる。

デパートに入っているアパレルショップでは、バーゲンやセールの開催時期になると、上顧客と親しくしている店員が電話をしてお知らせするが、それは単純にセールの開催ではなく、混み合うことを知らせる意味もあるという。
超上顧客への対応は「○月○日から○日までは秋の感謝セールを行いますので、少々混み合うことと思います。ですから、○○様にはご来店をお勧めできません。ご覧になりたいというものがありましたらお取り置きしておきますので、セールが終わった後にじっくりご覧いただければと思います」という言い方になって、さらに優越感を刺激し、ファン心理を植え付けていく。こういった手法は、小さな店も真似していいものだと思う。もちろん時には、優良顧客だけのお友達優待セールなどを行って、上顧客層の拡大を目指していくことも必要である。

また、少子高齢化ということは、人口の移動が少なくなることも意味している。顧客の多くがその地域に住み続ける人たちであると考えると、良い評価は確実に浸透するが、対応を間違えるとアッという間に顧客はいなくなって、立ち直れなくなる。
先ほども書いたが、お客様は年齢とともに好みが変化していくだろうし、家族構成に変化が起きることもあるだろう。そこで必要なのは、例えば「ご用聞き」のように痒いところに手の届く対応であり、お客様の心に響き、お客様の心を捉えて離さない家族的な関係を構築するマーケティングなのである。

次回は「売上げの構成要素」を考えます。

【2010年1月21日更新】

●引っ越しの次の日から「ご用聞き」に来た酒屋さん
勝手口から酒屋さんの声が聞こえる。「三河屋でーす。何かご用はありませんかぁ?」。お母さんが「今日は結構です」と応えると「またお願いしまーす」と帰って行った。
今、こんな光景はほとんど見られなくなった。マンガ「サザエさん」でも酒屋の三平君は、1985年に郷里の山形県に帰って行ったそうだから、日本中探してもすでにいないのかも知れない。
しかし、昭和50年代までは、町内にはご用聞きがたくさんいた。毎日使う味噌や醤油などを扱う酒屋さんが多かったが、クリーニング屋さんも2日に一度ぐらいは「何かありませんか」と勝手口に顔を出していた。

こうしたご用聞き担当者は、配達業務もあるから毎日町内を回っている。そして、引っ越しを見つけると手伝いをかって出て、翌日からご用聞きに回るのである。しかし、別にご用聞きをするために引っ越しの手伝いをする感じではなかった。自然にこうした付き合いが成立する時代でもあったのだろう。

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●日本人に刷り込まれている「損して得取れ」の美学
考えてみると、富山の薬売りというのも、すごいシステムである。使わなかったら無料、何か困ったときだけ使ってもらい、半年とか一年に一度確認と集金に来るのである。完全に人間の正直さに依存しているビジネスモデルであり、今でもBtoBでは残っている。
中東などから訪日した人が驚くのが道路脇で売っている朝取りの野菜だそうだ。雨露をしのげる程度のバラックの無人店舗に無造作に野菜が並べられており、買う人は誰が見ているわけではないのに脇に置かれた箱にお金を入れてその分の野菜を持っていく。こういう正直さは、日本人の心に刷り込まれているものである(最近はやや不安も?)。

DMGが得意とする単品通販は、こうした「損して得取れ」の気持が生きているビジネスである。最初にモニターとかお試しキャンペーンなどで商品を提供し、試用して気に入っていただけたら固定客になってもらうというものが多い。それまでの業種・業態によっては、当初赤字になるケースもあるが、次第に黒字転化して安定的に利益を重ねていく経営デザインになっている。

●売りたい気持ちが見えるとすべてがウソになる
ここ数年、急増したのがセルフ給油のガソリンスタンドである。以前はガソリンを入れに行くと、水抜き剤だの何だのさまざまな商品を売りつけられて辟易したものだ。そういうやり方に消費者が反感を持っていると気づいたスタンドや石油元売り会社が、海外で主流になっているセルフ給油方式を導入した。
セルフ給油なので給油機ごとに人員を配する必要がないから、人件費を抑えることができ、その分ガソリン価格も多少低めに設定できる。そのためもあって、セルフ店の燃料売上げは伸びているようだ。

しかし、実際には人員は思ったよりも削減されてはいない。セルフ給油の先進国・アメリカだと店員はキャッシャーにいるだけだが、日本では給油施設内にも目を光らせている人員を配置している。実際、くわえタバコでガソリンを入れようとする婦人を見たことがある。気を配っていないと危険なことも多いのである。

そこで、結局今もガソリンスタンドでは、燃料以外のものをどう売るかが課題になっている。そして、教育されているのが「売ろうとしないマーケティング」だ。
「売ろうとしないマーケティング」とは、お客様と親密なコミュニケーションを形成することを目的にし、不信感を持たれないように気を使う接客方法である。例えば、洗車を頼まれたら最終チェックは必ずお客様にしていただき、チェック表にサインをもらう。エアチェックをしたら、タイヤについての知識を提供しながら、一緒にタイヤの状態を確認するといった具合で、給油している間のサービスを通じて少しずつコミュニケーションを深めていく。

ここで肝心なことは、決してその場で色々なものを売りつけようとしないことである。洗車を頼む人はスタンドに来てから決めるのではなく、ほとんどが来る前に決めているという。だから、スタンド内で洗車を勧誘しても無駄だし、押し売りされたと感じられたら次回の給油は他のガソリンスタンドに行ってしまう。
かといって、何もしないのでは結局売上げ増にはつながらない。ここに最大のジレンマがある。これを解決するのが家族的な信頼関係の構築である。

例えば、あなたは家族が乗っている車のタイヤが磨り減っているのを発見し、危険だなぁと思ったら、交換した方がいいよと言うはずである。アドバイスしないことの方が不親切と言える。だから、スタンドの店員としても、本当に危険なことはきちん指摘し、よく説明して交換するように勧めなければいけない。ただし、「タイヤが磨り減っていて危険なので、私どもの店でなくても結構ですから、早めに交換されるといいですよ」とお勧めする。この「私どもの店でなくても結構ですから」によって、お客様の信頼を勝ち取ることができるのだ。

お客様に家族のように信頼していただける関係を築くことを目標にしているのが「家族的関係構築マーケティング」である。家族同然だった磯野家と三平さんのような関係を築きましょう。

●心のないマニュアルサービスから気配り接客へ
友人たちに頼まれて一人でハンバーガーショップに行き、可愛い女子高生アルバイトに5個のハンバーガーと5杯のドリンクを注文した。すると、「店内でお召し上がりですか?」と尋ねられたことがある。大食い大会でもなければ、そんな客はいない。あまりにもマニュアル通りの対応で、言葉は発していても人と人のコミュニケーションをとろうとする気持が感じられない。

それとは逆に、あるハンバーガーショップでは、人手不足から高齢者を採用した。ハンバーガーショップといえば若い女の子のアルバイト先というイメージがあるから、何か違和感を感じていた客たちだったが、あるときハンバーガーだけを注文した客に「お冷やをどうぞ」とお水を持ってきてくれた。このそっと思いやる姿勢こそが家族的であり、それを実践するのが「家族的関係構築マーケティング」である。

そして、このマニュアルを越えた気配り接客は感動を生み、お客様からお客様へと口コミで伝わって、このハンバーガーショップは、モスジーバーと呼ばれて人気店になっているそうだ。
最初にも述べたように、今必要なのは「商品+感動パック」。商品は様々な方法で揃えられるが、感動は家族的な関係を構築しようとする心の中にある。

次回は、「お客様の価値観を知り、お客様の価値を高める」ことを考えます。

【12月12日更新】

●一番大事なのはお客様のLTVの拡大
CRMを推進し、既存顧客から収益を上げる指標として用いられるのがLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)だ。

LTVは、個々のお客様が企業やショップに対して支払う合計金額から、顧客維持や販売にかかる全費用を引いた累積利益額であり、企業やショップから見てそのお客様と取引することで、どれだけの利益をもたらしてくれるかを測定する長期的な指標。CRMの目的は、このLTVを創り出し、それを最大化することなのである。

前にも述べた通り、あなたの会社が作る商品と同等の物をどこも作らず、あなたの店舗で売られている商品をどこのお店も売ることができない規制があるのなら話は別だが、ほとんどの場合、あなたの会社の商品と同等の物をどこかが作っており、あなたの店にある商品は他のどこかの店でも買うことができるのだ。
するとお客様をつなぎ止めておくためには、お客様に満足感を持っていただくことが必要になる。そこでCRMが重要になり、中でも威力を発揮するのがワントゥワン・コミュニケーションである。

お客様が他店や他店の商品に浮気しないように、いつも自分のお店で満足していていただくためにかける費用がCRM費用。お客様のLTVによってその額は変わってくるのは当然だが、先ほどのRFM分析と同様に、期間をキチッと区切って評価する方法は危険である。人間は、気まぐれなところが多々あるものだ。別に何が気に入らないというわけではないが、ふっと別の店に行くこともあるし、突然戻って来ることもある。
そこで、累積購入金額データを大切にしたい。原則として過去から今日までの顧客毎の累積購入金額によって顧客を区分する。つまり、一定期間内に取引がなくても顧客の価値は下がらないのである。

この累積購入金額データを使用してCRMを行う際には、きちんとしたリレーションシップ・シナリオが必要になる。上手に活用することができれば、顧客のLTVを押し上げていくことができるので、ぜひDMGに相談していただきたい。

●平等な対応をすると優良顧客がいなくなる
店舗・企業は、お客様に対して平等にではなく、公正に対応するべきである。
毎月2万円使ってくださるお客様と千円のお客様を同じに扱うことは、優良顧客に対して公正とは言えない。平等に対応したことで、2万円使ってくださる優良顧客が離脱してしまうこともある。

ワントゥワン・マーケティングの目的の一つは、優良顧客を識別して優遇することである。しかしここで、何を基準にして優良顧客と考えるかが問題になる。優良顧客の選別を店長やマネージャーに一任しているところもあるが、ついつい話しやすいお客様だけを優遇してしまい、より購入されている口うるさい顧客をないがしろにして、結果離脱される例も起きている。実際、優良顧客の多くは口うるさい客で、店員が一番嫌いな客が優良顧客ということはよくある話なのだ。そこで、選別は、データを重視してなされるべきである。

アメリカのFSP(Frequent Shoppers Program=顧客を購入金額や来店頻度によって選別し、サービスや特典を変えることによって効率的な販売戦略を展開して「優良顧客への育成と維持」を実現しようとするプログラム)には、レジで値引きするといった周囲の人たちの感情をまったく考慮しないものもある。意図的に「優良顧客になればこれだけ得をしますよ」と伝えようとしているのかも知れないが、こういうあからさまな方法は日本人の感覚には馴染まない。日本ではやはり累積ポイントを商品券と交換するなどの方法が好ましいだろう。

顧客に対して平等とか公正という以前の問題として、美容院などがしばしばチラシや情報誌で行っている、初来店者だけの割引サービスを見たことがあると思う。しかし、このチラシや広告記事は、どう思われているのだろうか。少なくとも優良顧客にとっては実に腹立たしいはずである。

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優良顧客である彼女たちは、いつも来ている自分たちより安い金額で同じ作業をしてもらう客がいるだけで気分が悪いのに、そのためにお店が混雑して待たされたりもするのである。こんな顧客対応をしていたのでは、優良顧客が離れてしまって当然だ。この広告で来店するお客は、次はまた初回者割引のある店に行く人なのである。
また、チラシに書いてある割引価格に技術料や指名料などを上乗せして請求する、言語道断ほとんど詐欺のような店もあるとのこと。こんな店に再来店する人は希だろう。
このように顧客の気持ちを想像することができない経営者が多いのはなぜ?本当に不思議に思うのである。

次回は、「最強のワントゥワンコミュニケーションは家族的な関係」をお届けします。

●お客様は意外なところに住んでいた
商店の顧客データベースなら地域も限られているし、顧客の数量もそれほど多くないから、まずはお客様が住んでいらっしゃる場所を確認してみよう。

南側にあるJRの駅から徒歩10分、北側にある私鉄の駅からも徒歩10分という位置にあるMさんのクリーニング店では、1年前から顧客サービスとしてスタンプカードを実施。スタンプが20個たまると、Yシャツ1枚の無料クリーニングサービスまたは200円のキャッシュバックをしていた。
そのカードが150枚を越えたことから、Mさんは、地域で配られていた精細地図のお客様の住所に色を塗ってみたのである。カードが1枚だけのお客様は黄色、2枚あったらその上にピンクを塗るなどして、購入金額が多くなると色が濃くなるようにしていった。すると、店を取り囲むように存在していると思っていたお客様が、実際は北側に偏っていたのである。特に色の濃いお客様は全員北側であった。

これは、商圏の問題なのである。店の南側にあるJR駅近くにはスーパーが2軒もあって互いに競っている。それに対し、北側にある私鉄の駅側には小さな食品スーパーが1軒あるだけで品揃えも芳しくないから、私鉄駅に近い人もJRの駅の方に買い物に行く。つまり、JR駅側の商圏の方が強く大きいのである。
それに加えてクリーニング店という商売上の特性もある。汚れた服を持って長い距離を歩くのもイヤなら、仕上がった服を持って買い物もしたくない。つまり、依頼するときも引き取るときも家に近く、行動の動線上にあるのが行きやすいクリーニング店というものなのである。

この自作の地図を見てお客様の偏りがわかったMさんは、これまで店の周囲半径100メートルにポスティングしていたチラシを、店の南側を20メートルだけにして北側を180メートルに増やした。それにより、売上げを大きく伸ばすことができたのである。

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●RFM分析を何度もやるとお客様はいなくなってしまう
さて、次により科学的なデータベース活用について説明しよう。CRM(Customer Relationship Management)をキーワードとして、データベース・マーケティングは発達してきた。つまり、既存客(Customer)との良好な関係(Relationship)を維持し、ひいては収益性を増やすことを目的にして来たのである。

顧客データベースを構築すると、一般的にR:RECENCY(最終購入日)、F:FREQUENCY(累積購買回数)、M:MONETARY(累積購入金額)の3つを組み合わせたRFM分析をする。しかし、このRFM分析は、セルを作ってそのセルに名前をつけたものなのだ。Aさんを優良顧客と認定しているのではなく、R1F3のセルにいるからAさんは優良顧客という考え方。つまり、この時点でワントゥワン・マーケティングという意識からは外れてしまっていると言っていい。

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そして、RFMには時間軸が入っている。直近半年間のRFMを調べた場合、例えば直前の購入が7ヶ月前だと、それまでにどれだけ購入し、今後どれだけ購入する可能性を秘めていたとしても優良顧客にはならない。FやMも同様であり、別の期間を設定して分析してみると、まったく変わってしまうことがある。

健康食品のように常用する商品で、基本的に定期購入するものならば、RFM分析によって顧客を選択し、「有望顧客から優良顧客への引き上げ」とか「離脱防止」など、それぞれのコミュニケーション・シナリオを用意することは効果的である。しかし、靴やスーツのように、半年または1年に一度買うかどうかという商品もある。そこにRFM分析をしたのでは優良顧客はいなくなってしまう可能性もある。こうしたショップでは、クロスセルを考慮したコミュニケーションが望ましいのだ。

また、考えておかなければならないことは、顧客は常に買い続けるわけではないことである。他のお店で買ってしまうこともあれば、購買行動に関心を失う時機もある。そこで、販売者は顧客の購入パターンを考えて分析自体を組立て直したり、コミュニケーション・シナリオやコミュニケーションの質を考えていく必要がある。

例えば、先ほどのMさんのクリーニング店は、その翌年、お客様の生活スタイルを知り、便利さを追求することで売上げをさらに伸ばした。その手法は以下の通りである。
スタンプカードを作って顧客を特定した後、Mさんは来店頻度や購入金額とともに、そのお客様が出す衣服の種類、お客様が来店する時刻、来店する際の服装もデータとして蓄えていった。
すると、20代後半の男性A氏はいつも週末に来店し、主にYシャツを出して前週の分を引き取っていく。また、平日の昼間に来店される30代後半の女性Bさんは、男物のYシャツが主だが、時には女性用のブラウスや男の子用の上着が混じることもある。これで、ほぼA氏が独身のサラリーマン、Bさんが少なくとも男の子が一人はいる専業主婦だと推測できた。

そこで、Mさんは優良顧客サービスとして、Aさんにはスーツやスラックスの30%割引クリーニング券を、Bさんには何にでも使える20%割引券を渡した。さらにAさんには、夜間の集配を申し出るなどしたため、またまた売上げを大きく伸ばすことができたのである。

RFM分析は、元々が無駄なDMを出さないようにするために考えられたもの。つまり、基本的には顧客を切り捨てるための分析です。単純に分析ソフトを使うだけでは、データベース・マーケティングとは言えません。DMGは、効率的にデータを運用し、顧客を育成する方法を知っています。ぜひご相談下さい。

次回は、「本当に大事なことは何か?」と「平等にではなく公平に」をお届けします。

●売上げはお客様の購入動機で決まる
企業は製品を作れば売上げができるわけではない。店舗は品物を並べれば売上げができるわけではない。すべての売上げは、お客様が買うという行動を起こした時に計上されるのである。

あなたの会社が作っている商品と同等の物をどこも作らず、あなたのお店で売れている商品をどこの店舗も売ることができないという規制があるのなら話は別だが、ほとんどの場合、あなたの会社の商品と同等の物をどこかが作っており、あなたの店にある商品は他のどこかの店でも買うことができる。
とすると、お客様があなたの店を利用した理由は何なのだろうか?また、そもそもあなたのお店は、なぜその商品を置いてあるのだろうか?
こうした疑問を追求していくと、売上げの拡大が見えてくる。

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●あなたの会社・店舗の特長は何か?
あなたの会社(店舗)は、
・何を売っているのか?(日常使いの物なのか、特別の日用の物なのか、耐久消費財か、贅沢品か、など)
・誰に売ろうとしているのか?(若者向け、主婦向け、シニア向け、など)
・販売エリアはどこか?(特定地域か=その地域の特色は?、全国か)
・あなたの会社や店舗にコンセプトはあるか?

こういった商品構成、顧客ターゲット、企業コンセプトなどを列挙し、あなたの会社(店舗)の存在意義を言葉にしてみるといい。それは、「地域の人たちの豊かな暮らしに関わること」でもいいし、「全国に優れた製品を行き渡らせて国民生活に貢献する」といった大上段なものでもいい。しかし、単純に利益を拡大したいなどというものより、社会的に意味を持つものにした方が良い。こうした存在意義が会社(店舗)にあると、困ったとき、迷ったときの行動指針になるのである。

もちろん、口で言っているだけではなく、何かつけて行動することが大切だ。地域の人たちの豊かな暮らしに関わるのなら、ただ単に商品を陳列しているだけではなく、どうしたら良い物を販売できるか、どうしたら買ってくれるようになるかを考え抜くことが必要である。
例えば、あなたの店舗が扱っているワインや日本酒、焼酎などによって、地域の人たちにより豊かな暮らしを楽しんでいただきたいと考えるなら、ワインや焼酎の産地や生産者などの情報を発信したり、飲み比べのイベントを開催するなど、店舗のコンセプトや意義を実践するために、お客様とコミュニケーションをとっていくことも必要になるだろう。

そして、最終的に肝心なのは、そのコンセプトが、実際のお客様に受け入れているかどうかである。それを確認するためには、まずお客様を知らなければならない。
性別は?年齢は?お住まいは?。あなたの会社のコンセプトと合っているかどうかを確かめるには、さらに詳細なお客様のデータが必要になるかも知れない。それは、質問項目を検討し、精査して制作することで可能になるから、DMGがお手伝いします。

若者向けの品揃えを考えて若者向けのショップデザインをしていたのに顧客の65%は40歳以上だったとか、地域の活性化を望んでいたのに値引き競争を仕掛けていただけだったとか、もしも顧客データと顧客ターゲットや企業コンセプトが違っていたなら、どちらかを修正する必要があるのです。

●お客様を知ることで経営は強固なモノになる
商店の場合、お店のあるエリアにどのくらいの人口が暮らしているかは知っているだろう。また、毎日どのくらいの人が店の前を通るのかは調べているかも知れない。
しかし、その中の何人がお客様として店で商品を購入してくれた人で、またその中の何人が何度も購入してくれているお客様なのかを知っているだろうか。ここが一番大切なところなのである。
何となく顔を知っているから何度か来てくれているお客様だとか、話したことがある気がするといった、曖昧な記憶に頼った顧客管理をしていては安定経営は望めない。その理由は、お客様の好みを知らなければ品揃えもできないからだ。

顧客の年齢も住所も仕事も何でも知っている必要はないが(こんなお店はかえって怖い)、ある程度暮らしぶりをイメージできるぐらいは知っていないと、最適な品揃えやサービスを提供することはできない。
根本的な商品選択はお店が主導権を握るべきだが、お客様のことを何も知らずに品揃えをしているということは、単に自分の好みの品揃えであり、暗闇に向かって鉄砲を撃っているようなものである。ときにはまぐれで当たるかも知れないが、何度も続いて当たるはずがないから、経営は安定しない。

お客様が購入してくれたから売上げができたのだということを忘れてはならない。ただ陳列していたのでは売上げは生まれないのだ。そこで、何か購入していただいたら、つまり顧客になっていただいたら、ポイントカードを作るなどの方法で、顧客データに登録できるシステムを作って、お客様を知る努力をする必要がある。

●役に立つ顧客データベースの作り方
通信販売だと注文や発送伝票から顧客データベースを構築していくが、店舗の場合はそうはいかない。そこで、会員制度やポイントカードによって顧客データを獲得する。
しかし、時々見かけるがポイントカードに住所・氏名などを書く欄がないのでは、何のためにポイントカードを作っているのかわからない。ポイントシステムは顧客データを取らないと単なる値引きだけになってしまうのである。

ポイントを付与した日時の記入欄がないと来店頻度もわからない。来店時間がわかると、そのお客様の行動パターンを推測できるかもしれない。大切なデータをとるには、事前にしっかり考え抜いた項目作りが必要なのである。

例えば、クリーニング店だったら、来店時間や曜日、来店時の服装などによって、お客様一人ひとりの生活形態に合わせた適切なサービスを考え出すことができる。
必要事項は、基本的には氏名、住所、生年月日、性別、購入日、購入商品ジャンル、購入金額など。業種、業態に応じたデータ項目とデータベース構築には、DMGのように経験豊富な企業の知恵を活用していただきたい。

こうして自前で作ったデータをハウスリストという。通信販売協会の調査によると、購入顧客を一人獲得するための費用、つまりCPOは6000~10,000円といわれている。しかし、業種によって異なり、2万円以上かかる場合も少なくない。
このハウスリストは貴重な財産であるから、ときどきデータのクリーニングを行い、常に精度の高いものにしておかなければならない。また、その運用にあたっては個人情報保護法にも注意しなければならない。このあたりもDMGならすべてをサポートできるから安心です。

次回は、データベースの活用についてお話しします。