リーダーズダイジェストのヒットDM|2010年5月アーカイブ

リーダーズダイジェストのDM紹介第9回である。

今回はリーダーズダイジェストの歴史を少し振り返ってみようと思う。
リーダーズダイジェストは基本的には出版社である。本社はアメリカ合衆国のニューヨーク州プレザントビルという所にある。広大な森林の中にあり、小川が流れ、小鳥が舞い、木立の中を鹿が横切る。社屋は古風な木造建築で周囲とよく調和している。そんなたたずまいとは裏腹に社屋の地下は最新のコンピュータ・システムとフルフィルメントを擁する業務部が占め、顧客対応が的確になされている。

一方、1階から上は社長室をはじめ、マーケティング勢が占めている。社主は創業主のデウイット・ウオレスである。美術に造詣が深く、コレクションを多数保有する。

デウイット・ウオレスは第一次大戦から帰国し、大戦で負った傷から回復する間に、大衆雑誌の記事を要約した内容を含む雑誌のアイデアを思いついた。1922年2月5日、リーダーズダイジェストは創刊された。自宅の庭で妻、ライラ・ウオレスと二人で通信販売をはじめたのが始まりらしい。通信販売では1部10セントで売っていた。1929年には新聞雑誌売り場で売られるようになり、1935年には100万部を達成した。アメリカ版の通産100億部目は1994年に発行された。全世界の発行部数は2100万部で、読者は1億人を超えるという。

リーダーズダイジェストのマーケティング
Sweap Stakesと呼ばれる懸賞が何時からか行われるようになった。これを実施するとプロモーションの実績が良くなるからだと思われる。米国にこんなジョークがある「ある日、ビルの屋上から自殺しようとしている者がいた。近くにいた人がとっさに自殺を止めさせるために『あなたはリーダーズダイジェストのSweap Stakesに当たっていますよ。』といった」というものである。いかに広くSweap Stakesが知られているかを物語るものである。

雑誌リーダーズダイジェストの読者募集のDMによって広くリストが集まってくる。リーダーズダイジェストではレスポンスのことを「Pull」という。米国ではそれが4~9%というから驚くべき数字である。このリストをそのままにしておくのはもったいない。そのリストに対して「すばらしい自然」のような単行本を売っていくのである。このようにしてダイレクトマーケティングのノウハウが蓄積されていったと思われる。

リーダーズダイジェストでは30年前から既に顧客データが出来上がっていてリスト分析により「どこどこの○○様はSweap Stakesに当たったらどこどこの郵便局で賞金をお受け取りになれます」と言う様なコンピュータ・パーソナライズしたコピーが書けたのである。

リーダーズダイジェストの国際マーケティングのセクションには7人のディレクターがいて、常に全世界をコントロールしていると聞く。例えばイギリスで成功したフォーマットはドイツでテストする。またスエーデンで成功したフォーマットをフランスで試してみるという具合である。この様に各国の成功体験を共有できるところがリーダーズダイジェストのマーケティングの強みであろう。

リーダーズダイジェストの記事の傾向は
オリジナルの記事、他の雑誌から転載された要約記事、本の抜粋、ジョーク集、逸話、引用、その他の短い記事がある。

記事のカバーする話題の範囲は
政治と政府、健康、国際問題、ビジネス、教育、ユーモアなどである。忙しい読者があまり時間をかけずに話題についていくことができるよう、記事はなるべく短くされる傾向がある。連載コーナーとしては”Word Power” “Life in These United States” “Laughter, the Best Medicine”(笑いは百薬の長)などがある。
編集方針は抜粋と要約である。リーダーズダイジェストには3種類の文書がある。第1のグループは他の雑誌からの転載要約記事である。抜粋と要約はそれぞれ別の編集者が行い、3人目の編集者がその内容をチェックする。さらに少なくとも2名の上級編集者がチェックして承認する。

リーダーズダイジェストの世界観については
個人の成功;リーダーズダイジェストに登場する人物は、不運や社会的困難に対し勇気や団結、神の救いなどにより運命を切開いていく。
楽天主義;リーダーズダイジェストの多くの記事はハッピーエンドで終わる。
道徳的保守主義;当初から性に関し非常にオープンだが伝統的な結婚、国家や規範への忠誠、慈善活動などに公然と賛成し、フェミニズム、自由恋愛、積極的差別是正措置には反対している。
自由市場経済;税制、予算増、労働組合、共産主義に長年反対し、規制緩和の立場である。

次号は日本リーダーズダイジェスト社の話である。

写真説明
上 ニューヨーク州プレザントビルにあるリーダーズダイジェスト本社
中 創業主のデウイット・ウオレス氏
下 妻のライラ・ウオレス氏
S_4

S_5

S_6

拡大画像はこちらをご覧ください。

【5月10日更新】

リーダーズダイジェストのDM紹介第8回である。

これは1970年のころだったと思う。筆者が入社後、初めて担当したダイレクトメールである。
リストは、リーダーズダイジェストの地球儀を購入した客である。商品はオリンパスのパールコーダーという当時としては超小型のラジカセである。

まず、ダイレクトメールを制作するに当たって気をつけた点は、開封を促進することである。既存の客であることから、DMに慣れているので「またDMがきたか」という感じを抱かせないことが大切と考えた。また超小型のラジカセということを分かりやすく伝えることに重点を置いた。その結果、OEは無料進呈品を前面に出すことにした。「お得意様へのお買得情報・・・なんと5つのは無料進呈品つき。くわしくは中をご覧ください」としたのである。無料進呈品を前面にだすことにより中の開封に誘導するのである。

また、申込書はこの頃すでにレターと一体型となっていて、レターは過去の客の購買暦がパーソナライズ打ち出しされている。申込書に住所・氏名が打ち出しされていて、これが封筒の窓を透して見える。
ブローシャーにおいて本誌リーダーズダイジェストと商品、パールコーダーを並べて大きさが比較できるように分かりやすくした。またパールコーダーの15のポイント、8つの付属品などの商品特長のほか、代金後払い・割賦利息当社負担・全国無料宅配などオファー特典ももらさず訴求した。

またBREは、優先頒布・申込至急・郵便切手不要・無料プレゼント贈呈など訴求してあり、プレミアム・フライヤーはワイヤレスマイクとその3つの特長などが訴求してあり、いずれもスタンダードなものである。

ではまとめを以下に表示する・・・・
外封筒(一番上)
BRE、プレミアム・フライヤー(左の列)
OFC、レター(中央の列)
ブローシャー(右側)
Imgp0146s

拡大画像はこちらをご覧ください。