【5月1日更新】
デフレスパイラルで価格破壊が進み、物価がどんどん安くなっている。企業にとっては、値下げで利益確保が厳しくなり、ビジネスパーソンの収入が減少し、購買力が低下するという悪循環が起きる。値下げ競争で生き残るのは大量生産、大量販売できるトップ企業だけになってしまう。これでは、ビジネスができなくなる。では、どんな対抗策があるのか。
■販売のヒントになる「わけあり力」
「わけあり力」とは、なぜその商品が安いのか、高いのかの「わけ」を明確に生活者に訴求することで、納得して商品を購入いただくものである。安くても決して値引きではない。高くても納得できる理由がある価格である。賢い生活者に、どこまで理由を明快に説明でき、納得させて購入させることができるかが「わけあり力」だ。「限定」「産直」「市販されない2級品野菜」など「わけあり言葉」に生活者が飛びつくことでもわかる。
■納得できるリーズナブルな「わけあり」で、低コスト商品・サービスを販売する
①プロセスや機能カットという「わけあり力」で納得いく低価格に設定
価格を安くするための「わけあり力」の活用の一つが、プロセスや機能カットによる方法だ。これまで、お客様が当たり前と思っていたプロセスや機能を短縮やカットすることで価格を低く抑えるものである。「髪切りだけの理髪店」「宿泊しないホテル」「飲みものなどサービスカットの航空券」「ブラックだけの珈琲10円安」「突き出しを出さない居酒屋」「直販するから安いネット商品」「見習いが作ったケーキ」などの例がある。
②空いている時間を有効活用する「わけあり力」で安く提供する
一方、サービス事業者が空いている時間を有効活用することで、割安価格を提供する「わけあり力」の活用方法もある。「時間指定しない引越」「昼間の宴会」「当日の朝の空きで利用できる格安航空券」「友引にお寺を使ってのセミナー」などがある。その他、安い理由をしっかりと明確にする「わけあり力」で安く提供する方法もある。
これら以外でも、生活者に対して、安くなる理由を明確に、納得がいく説明ができれば、「わけあり力」活用して販売することができる。
■プロセスや品質重視型「わけあり力」で高コスト商品・サービスを提供する
「わけあり力」は、低価格商品だけではない。高額な商品の販売にも効果を発揮する。育て方の違い、サービスの違い、素材の違いなど、明確に他社とは違う「わけあり力」があることで、高い商品、サービスの販売が可能になる。
①育て方、作り方、サービス、素材
飼料をしっかり与え大切に育てたことやゆったりスペースのため、この料金になったなど明確な「わけあり力」の理由を説明。例えば、「自然環境でのびのびと育った豚から作ったハム」「3列シートでゆったり座席の高速バス」「フルフラットシートで全席通路側のビジネスクラス」などがある。
一方、食品や機材などは、素材の違いが品質に大きな影響を及ぼす。例えば、「1歳未満の豚から作るコラーゲン」「素材が違う、美味しい、ハンバーグ」などがある。
②無料を有料化にできる「わけあり力」
普段無料のものでも、利用する生活者にとって理由が明確にあれば「わけあり力」を生かし、有料化しても十分にお客様が納得して利用され、成功している方法もある。例えば、「高級食材を使った有料試食」「セールスされない有料試乗」などがある。
■これからの活用提案
①どんな商品でも、販売できるチャンス
どんな商品なのかを納得できるように説明できれば、あらゆる商品やサービスに販売のチャンスが出てくる。 これまで2級品として販売できなかった商品、売れ残った商品でも販売可能となる。
その背景には、ものを大切にするというエコ思想があることも忘れてはならない。
②決め手は 生活者に納得のいく説明ができること!
「わけあり力」を使って販売が成功するかどうかは、生活者に納得のいく説明ができるかどうかにかかっている。 単にお店の事情で、商品やサービスを安くするのでは、値引きになってしまう。