今月のキーワード|2010年3月アーカイブ

今、社会不安への心配に貢献することを目的としたキャンペーンが話題となっている。
企業が売上によって得た利益の一部を、社会に貢献する事業を行っている組織に寄付する活動を通して、売上の増加を目指す、コーズリレーテッド・キャンペーンと言われるものだ。
その背景には、生活者の社会への貢献意識の高まりがある。生活者の商品購入時における環境貢献意識を調査したところ、「意識したことがある」が7割以上あることが、株式会社ジー・エフの調査で分かった。
こうした社会ニーズに対し、企業が社会貢献事業への積極的な姿勢を示すことで、企業のイメージ向上が期待できる。

■コーズリレーテッド・キャンペーン事例
●アメリカンエキスプレス社「自由の女神修復キャンペーン」
コーズリレーテッド・キャンペーンのさきがけは、アメリカンエキスプレス社「自由の女神修復キャンペーン」である。申し込み手数用や取引額に応じて、寄付するもので、カード加入で1ドル、カード利用1回で1セント寄付するものだ。

●ボルヴィック「1L for 10L」
ボルヴィックの「1L for 10L」キャンペーン。2007年に日本でマリ共和国支援として実施された。お客様のお買い上げ1リットルあたり、10リットルの水がアフリカの井戸から生まれる。

●ピンクリボン活動 
この運動は、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療の重要性を訴えるための活動として、アメリカでスタートした。運動に賛同する企業は、ピンクリボンをあしらった商品を販売し、その売上の一部を乳がん研究団体や支援を行う財団などに寄付する等の支援活動を行っている。

●ネピア「千のトイレプロジェクト」
王子製紙のネピア。東ティモールに千のトイレを作るキャンペーン「千のトイレプロジェクト」を実施。開発途上国の水と衛生の環境改善を目標に、2008年にスタート。毎年一定のキャンペーン期間を設け、期間中の売上の一部をネピアからユニセフに寄付。ユニセフが途上国で進める水と衛生の事業を支援して、世界の水と衛生の問題改善に寄与することを目標としている。

●住友生命「未来を築く子育てプロジェクト」
住友生命は、「未来を築く子育てプロジェクト」を実施している。「エッセイ・コンクール」「子育て支援活動の表彰」「女性研究者への支援」などのさまざまな取組みを通じて「子育てのすばらしさ」を啓発し、子育てしやすい環境づくりを応援するものだ。
Volvic

■コーズリレーテッド・キャンペーンで重要な4つのこと
①見返りを求めないこと
企業の活動は、営業行為であることは、言うまでもない。しかし、社会貢献を行う、コーズリレーテッド・キャンペーンでは、企業が「社会貢献活動に顧客を巻き込む」ことが目的だ。その活動を通して企業姿勢が生活者に伝わり、結果、売上やシェアアップが伴うものだ。見返りを期待していることが表面に出れば、賢い生活者から見放される。

②継続して実施すること
社会貢献は地道で地味な活動である。長く継続することで、企業が応援していることが生活者に認知され、企業が実施していることの認知度が高まる。一方で、社会貢献活動は、単発で解決する問題ではない。解決には、時間をかけた地道な活動が要求される。単発の実施より、地道でもよいから、継続して実施することが望まれる。

③わかりやいこと
企業の社会貢献活動は、生活者に理解させ、生活者を巻き込むことで、より高い効果が発揮できる。そのためには、わかりやすいメッセージが要求される。その企業メッセージに生活者が共感して初めて認知される。そうしたメッセージが伝わることで、生活者は、せっかく購入するなら、社会貢献する企業の商品を買うことにつながる。

④全社で実施すること
社会性のあるコーズリレーテッド・キャンペーンは、広告・販促活動の一環の場合は、宣伝部が主幹部署となるが、全社一丸となって実施すると生活者への認知が高まる。全社員、顧客を巻き込んだ活動が重要である。