ネット取引額、08年個人は6.1兆円に拡大、前年比13%増加
経産省がまとめた2008年の「電子商取引に関する市場調査」によると、個人によるネット取引額は6.1兆円と前年比13.9%増えた。宿泊・旅行予約サービスやネットスーパーの利用が好調だった。ただ、景気後退の影響で伸び率や購買単価は減少傾向にある。「不況で外出を控える消費者が増え、低価格商品を検索しやすいネットが好まれたようだ。
ダイレクト・マーケティングの総市場は9兆円規模か
不況でも着実に成長する、ダイレクト・マーケティングの全体市場規模を推定したデータはない。JADMA調べでは2008年の市場規模は4.1兆円あり、経産省調べのECショッピングが6.1兆円ある。両社は、調査方法、対象が全く違うため、単純に合わせることができないが、概略の通販規模を把握するために、両者の数字を合算、重複部分(JADMAのネット通販を25%と想定)を差し引くと、何と9兆円規模にもなる。
9兆円のダイレクト・マーケティング市場は百貨店、コンビニを超える
2008年度の百貨店の売上高は前年比6.8%減の約7兆、一方、全国コンビニエンスストア同年売上高は前年比6.7%増の7.9兆円となった。ダイレクト・マーケティングの市場規模を9兆円と想定すると、百貨店、コンビニを上回る売り上げになったと言える。まさに、ダイレクト・マーケティングが、生活者に完全に定着していることを示している。
ダイレクト・マーケティング成長要因は3つ
成長を続けるダイレクト・マーケティングの成長要因は3つある。
①Webの登場で購入しやすくなったこと
Webの登場がネット通販という新たな販路を作った。これまでのダイレクト・マーケティング顧客が高齢化しつつあったものを通販世代の登場で若返りさせている。さらに、ダイレクト・マーケティングでの購入への抵抗が少なくなったことも、好影響を与えている。
②在宅に居ながら購入できること
不況で在宅者が増え、「巣ごもり消費」が増え、自宅で居ながらにして商品が購入できることがダイレクト・マーケティングの成長に好影響を与えている。
③購入商品の幅が拡大したこと
今や購入商品の幅が急拡大、これまでは、食品、健康食品、化粧品など、比較的限られた商品が中心だったが、百貨店の贈答品利用、ネットスーパーでの買い物、オークションの普及、ネットでの書籍購入など、殆どの商品がネット通販で購入するようになった。
これからのダイレクト・マーケティングには大きな可能性がある
これからのダイレクト・マーケティングは生活者の変化をつかみ、さらに拡大するが、解決すべき課題もある。
①商品支出からサービス支出が急拡大、健康・環境・安全への意識がさらに高まる
市場の成熟化によって、耐久消費財は、殆どの商品が普及し、欲しい商品が少なくなっている。消費は消耗品、日用雑貨、食品などの生活必需品や旅行、教育、趣味・スポーツなどのサービス支出に回ることになる。今や生活者の消費支出の40%以上がサービス支出になっており、「サービス需要」を狙うビジネス、「商品とサービスをセット」したビジネスなどへの注力する必要がある。
②新しい家族が生まれる、家族構成が変化する
家族の形が小世帯化している。今、一番多い家族数は一人で、単身層が3割にも達した。「一人用商品・サービス」「一人向け生活支援サービス」「コミュニケーション対応 ビジネス」「防犯関連グッズ」などが考えられる。また、増加する「シニア向けビジネス」が重要、シニアのライフスタイルに対応したビジネスが可能になる。その他、離婚、シングルマザーなど、新しい生活者にマッチしたビジネスが可能になる。
③ビジネスの業際がなくなる中で成長続けるには、課題解決が急務である
売上低下で苦戦している百貨店業界、成長続けるカテゴリーキラーの構図は、流通業界での業際がなくなりつつある。生活者に密着して成長続けるダイレクト・マーケティングは、あらゆる商品・サービスが可能になる。成長を続けるには、「通販への不満解消」、「継続購入をより効果的に促進する手法」「セキュリティ対策」などの課題解決が重要なことは言うまでもない。