【7月1日更新】
「iPad」登場はマスコミの話題になり、発売80日で300万台を販売し、急速に市場を拡大している。競合他社も、対抗機種の投入するなど、パソコン機器はアイパッドのようなタブレットPC(液晶ディスプレイを持ち運び可能にした薄型で、ペン入力式携帯コンピュータ)に向けた新時代に突入する可能性が高い。パソコン市場が低迷する中、タブレット端末は新たな成長分野として成長が期待されている。
■操作性、機能性に優れ、幅広い活用が魅力
「iPad」は、携帯性、操作性などに優れ、パソコン、ケータイ、紙媒体の良さを組み合わせた新しい媒体と言える。
「電子書籍、雑誌、新聞などでの活用」だけでなく、「広告、販促というマーケティング活動」でも威力を発揮する。また、「お客様への商品を多面的に提案するプレゼンテーションという接客などの営業場面」での活用もあるし、「ゲーム市場での活用」も期待できる。さらに、「社員教育、社内会議」など、ビジネスや生活者のあらゆる場面で活用ができる。
過日、飲み会に「iPad」を持参した女性は、亡くなった亭主の在りし日の思い出を見事にスライドプレゼンテーションしてくれた。同席した仲間たちは、感激しながら画面に見とれた。その後は「iPad」のデモや活用話に花が咲いた。ちょっと重いとの感想も出た。
■「iPad」購入者の85.8%が「満足している」との調査結果も
MMD研究所が、インターネットWEB、及びモバイルWEBユーザーを対象に「iPad」の購入意向、及び満足度に関する調査」を6月4日~9日に実施したところ、 「iPad」購入者の85.8%が「満足している」と回答した。また 調査時点での「iPad」購入者は全体の4.9%。さらに、全体の5.4%が「iPad」購入を予定して、21.4が%検討中という結果が得られた。
■ソフトの拡大とパソコン難民であるシニア、主婦層の獲得が課題
150万冊の書籍を読むことができる米国にくらべ、日本では、まだ、書籍数が少ないことなど、ソフトの開発も大きな課題となる。ハードとソフトの料機能が揃って、初めて、情報端末の飛躍的な進化に繋がるので、今後のソフト開発に期待がかかる。一方、操作性に優れていることや、紙面がそのまま見ることができるため、これまでパソコン難民であった主婦層、シニア層の獲得も期待できる。 そのためには、使い方についてのやさしい説明や使い方についての提案があるとよい。
【6月1日更新】
成熟社会、不況で物が売れない。それを克服する販売活動の一つに、ギフト需要の開拓がある。業務用の中元や歳暮が減少する中にあって、堅調なのは個人ギフトだ。両親や知人、自分などにプレゼントするパーソナルギフト需要が伸びている。「物」を贈るというより、「自分の気持ち」を贈るニーズが高まり、販売商品の単価の減少をギフトする人の増加でカバーしている。そこで、今、ギフト市場で起きていることなどから、これからのギフト需要の開拓のポイントを分析する。
■母の日プレゼントは、単価は下がるが贈り物をする人は昨年より増加
今年の母の日のプレゼントは「財布のひもは固いけれど、感謝の気持ちは伝えたい」と単価の下落があるものの、贈り物をする人の数は増えたようだ。ある花屋さんは、平均購入金額は3,000円程度で、昨年より500円程度低下したものの、贈る人は増えたという。一方で、プレゼントする花に心を込めたメッセージカードを書く人が増え、声を録音できるメッセージカードも販売された。まさに、「贈る物から、贈る気持ち」を大切にしたい人が増えていることを示している。
■お中元もパーソナルギフトが増えている
いよいよ、お中元シーズンに入った。業務用のお中元の低下に対して、家族、趣味仲間、友人、さらに自分へのご褒美まで含め、顔が見える相手に贈る「パーソナルギフト」が伸びている。百貨店では、高品質で高価格の商品を充実させ、対応している。商品の傾向としては、エコ、フルーツ、デザートなどだ。例えば、有機農法でつくったパイナップルのジュースや、農薬を減らして栽培した野菜の冷製スープなどや、産地や素材へのこだわりもある。販売方法も、売り場での販売だけでなく、インターネットを活用の販売も増加している。
■「ことギフト」という新ジャンルも増加。プレゼントの幅が広がる
飽和社会での商品を使ったギフトがマンネリ化傾向にあり、お客様への感動が弱いということで、新ジャンルとして体験型ギフトである「ことギフト」が増えつつある。例えば、「クルージング体験」や好きな場所・好きな時間にプロの指導が受けられる「個人トレーニング」、温泉が選べる「全国銘湯ギフト」などがある。「ものギフト」から「ことギフト」への広がりは、ギフトする商品がこれまでの物から、サービスへと広がり、ギフト商品の幅を広げることに繋がっている。
■形式的なギフトから、本物のプレゼントへの変化の兆し。新たな記念日創造による市場開拓も可能
不況の影響でギフト市場は、これまでのようなお中元やお歳暮などの形式的なギフトが減少し、気持ちを込めた本物のプレゼントへの変化の兆しがある。従来の贈答シーズンでのプレゼントだけでなく、新たな記念日創造によるプレゼント市場の開拓も可能となる。例えば、「長寿の祝い」をテーマとした記念日では、昔は60歳の還暦に「赤いちゃんちゃんこ」をプレゼントする習慣があったが、今は寿命が延びたことや、「赤いちゃんちゃんこ」が使われなくなったことから、活用されていない。それに代わる長寿の祝いに対する提案が可能となる。長寿の祝いだけではない。生活者のライフスタイルにあった祝いを活用したギフト市場の創造が可能になる。そのプレゼントも単なる「商品」という「もの」発想ではなく、「生活者」にとって感動を与える「こと」発想への転換が新しい需要創造に結び付くと言える。
【5月1日更新】
デフレスパイラルで価格破壊が進み、物価がどんどん安くなっている。企業にとっては、値下げで利益確保が厳しくなり、ビジネスパーソンの収入が減少し、購買力が低下するという悪循環が起きる。値下げ競争で生き残るのは大量生産、大量販売できるトップ企業だけになってしまう。これでは、ビジネスができなくなる。では、どんな対抗策があるのか。
■販売のヒントになる「わけあり力」
「わけあり力」とは、なぜその商品が安いのか、高いのかの「わけ」を明確に生活者に訴求することで、納得して商品を購入いただくものである。安くても決して値引きではない。高くても納得できる理由がある価格である。賢い生活者に、どこまで理由を明快に説明でき、納得させて購入させることができるかが「わけあり力」だ。「限定」「産直」「市販されない2級品野菜」など「わけあり言葉」に生活者が飛びつくことでもわかる。
■納得できるリーズナブルな「わけあり」で、低コスト商品・サービスを販売する
①プロセスや機能カットという「わけあり力」で納得いく低価格に設定
価格を安くするための「わけあり力」の活用の一つが、プロセスや機能カットによる方法だ。これまで、お客様が当たり前と思っていたプロセスや機能を短縮やカットすることで価格を低く抑えるものである。「髪切りだけの理髪店」「宿泊しないホテル」「飲みものなどサービスカットの航空券」「ブラックだけの珈琲10円安」「突き出しを出さない居酒屋」「直販するから安いネット商品」「見習いが作ったケーキ」などの例がある。
②空いている時間を有効活用する「わけあり力」で安く提供する
一方、サービス事業者が空いている時間を有効活用することで、割安価格を提供する「わけあり力」の活用方法もある。「時間指定しない引越」「昼間の宴会」「当日の朝の空きで利用できる格安航空券」「友引にお寺を使ってのセミナー」などがある。その他、安い理由をしっかりと明確にする「わけあり力」で安く提供する方法もある。
これら以外でも、生活者に対して、安くなる理由を明確に、納得がいく説明ができれば、「わけあり力」活用して販売することができる。
■プロセスや品質重視型「わけあり力」で高コスト商品・サービスを提供する
「わけあり力」は、低価格商品だけではない。高額な商品の販売にも効果を発揮する。育て方の違い、サービスの違い、素材の違いなど、明確に他社とは違う「わけあり力」があることで、高い商品、サービスの販売が可能になる。
①育て方、作り方、サービス、素材
飼料をしっかり与え大切に育てたことやゆったりスペースのため、この料金になったなど明確な「わけあり力」の理由を説明。例えば、「自然環境でのびのびと育った豚から作ったハム」「3列シートでゆったり座席の高速バス」「フルフラットシートで全席通路側のビジネスクラス」などがある。
一方、食品や機材などは、素材の違いが品質に大きな影響を及ぼす。例えば、「1歳未満の豚から作るコラーゲン」「素材が違う、美味しい、ハンバーグ」などがある。
②無料を有料化にできる「わけあり力」
普段無料のものでも、利用する生活者にとって理由が明確にあれば「わけあり力」を生かし、有料化しても十分にお客様が納得して利用され、成功している方法もある。例えば、「高級食材を使った有料試食」「セールスされない有料試乗」などがある。
■これからの活用提案
①どんな商品でも、販売できるチャンス
どんな商品なのかを納得できるように説明できれば、あらゆる商品やサービスに販売のチャンスが出てくる。 これまで2級品として販売できなかった商品、売れ残った商品でも販売可能となる。
その背景には、ものを大切にするというエコ思想があることも忘れてはならない。
②決め手は 生活者に納得のいく説明ができること!
「わけあり力」を使って販売が成功するかどうかは、生活者に納得のいく説明ができるかどうかにかかっている。 単にお店の事情で、商品やサービスを安くするのでは、値引きになってしまう。
【4月1日更新】
今、社会構造が縦型から横型に変革しようとしている。不況の影響などによる終身雇用・年功序列制度の崩壊で、自分が勤務する会社にいつまで勤務できるのかわからない状況にあり、企業への忠誠心や上司への信頼感が低下して、これまでの縦型社会が崩壊しつつある。それに代わって、「友達や仲間を大切にする」動きが出てきているのである。
その一つとして、2枚の名刺を持ち、異業種交流会では会社の名刺ではなく、個人の名刺を使用する人が増えていることがあげられる。まさに、横型社会の傾向を示しているのだ。これまでの上下という縦型発想から、仲間・友達という横型発想に変わってきている。
男女間についても、女性の社会進出が増大し、今や女性が社会をリードしつつある。その女性たちは今、何を心配しているのだろうか?結婚に何を求めるのか、アクサ生命保険は2010年3月にアラサー(25歳~34歳)、アラフォー(35歳~44歳)女性600人を対象に「オトナの女のリスク実態調査」を実施した。その結果に重要なヒントが含まれている。
■アラサー、アラフォーの不安ベストスリーは、1位「「収入減、失業」、2位「老後の生活」、3位「親の死亡・介護」
彼女たちを不安にさせるものの第1位は「収入減、失業」で56.2%もある。不況の影響が出ている。第2位は「老後の生活」で51.8%だ。年金など政治不信の表れといえる。次いで、第3位は「親の死亡・介護」が49.2%。そして、第4位が「健康面の変化・衰え」で48.5%、第5位が「結婚できるかどうか」で47.3%という結果になった。老後、親の面倒など、昔は考えられなかったものが上位にあがっている。
■アラサー不安の第1「結婚」、独女が結婚相手に求める条件の1位は「価値観が合う」
アラサー女性だけに限ってみると、不安の第1位が「結婚」で、最大の関心事。今、婚活ブームとなっていることと繋がる。では、独身女性が結婚相手に求めるのはどんな人なのだろうか。同調査によると、第1位「価値観が合う」が61.8%。第2位「金銭感覚が一致している」が27.0%。第3位「雇用が安定している」26.3%の順となった。
価値観や金銭感覚が上位にくることは、パートナーとの理想の関係は「友だち型」ということができ、夫婦の共同意識が望まれている。夫婦間でも横型社会を求めていることがわかる。
かつて重要視された「三高」は、第9位「収入がいい」12.3%、第19位「学歴が高い」1.7%、第20位「身長が高い」1.5%と低い関心事となり、時代とともに大きく変化していることが分かった。
■結婚相手の理想年収は現実とほぼ同じ額
結婚相手の理想の年収希望は、平均552.2万円という結果が出た。これは、サラリーマン男性の平均年収533万円(国税庁調べ)とほぼ同じ額である。一方で、本当に愛する相手であれば年収270.5万円でもよいという声もある。結婚相手に、収入をあまり求めなくなったのは、結婚後も働き続けたい女性が多いからと考えられる。
今、社会不安への心配に貢献することを目的としたキャンペーンが話題となっている。
企業が売上によって得た利益の一部を、社会に貢献する事業を行っている組織に寄付する活動を通して、売上の増加を目指す、コーズリレーテッド・キャンペーンと言われるものだ。
その背景には、生活者の社会への貢献意識の高まりがある。生活者の商品購入時における環境貢献意識を調査したところ、「意識したことがある」が7割以上あることが、株式会社ジー・エフの調査で分かった。
こうした社会ニーズに対し、企業が社会貢献事業への積極的な姿勢を示すことで、企業のイメージ向上が期待できる。
■コーズリレーテッド・キャンペーン事例
●アメリカンエキスプレス社「自由の女神修復キャンペーン」
コーズリレーテッド・キャンペーンのさきがけは、アメリカンエキスプレス社「自由の女神修復キャンペーン」である。申し込み手数用や取引額に応じて、寄付するもので、カード加入で1ドル、カード利用1回で1セント寄付するものだ。
●ボルヴィック「1L for 10L」
ボルヴィックの「1L for 10L」キャンペーン。2007年に日本でマリ共和国支援として実施された。お客様のお買い上げ1リットルあたり、10リットルの水がアフリカの井戸から生まれる。
●ピンクリボン活動
この運動は、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療の重要性を訴えるための活動として、アメリカでスタートした。運動に賛同する企業は、ピンクリボンをあしらった商品を販売し、その売上の一部を乳がん研究団体や支援を行う財団などに寄付する等の支援活動を行っている。
●ネピア「千のトイレプロジェクト」
王子製紙のネピア。東ティモールに千のトイレを作るキャンペーン「千のトイレプロジェクト」を実施。開発途上国の水と衛生の環境改善を目標に、2008年にスタート。毎年一定のキャンペーン期間を設け、期間中の売上の一部をネピアからユニセフに寄付。ユニセフが途上国で進める水と衛生の事業を支援して、世界の水と衛生の問題改善に寄与することを目標としている。
●住友生命「未来を築く子育てプロジェクト」
住友生命は、「未来を築く子育てプロジェクト」を実施している。「エッセイ・コンクール」「子育て支援活動の表彰」「女性研究者への支援」などのさまざまな取組みを通じて「子育てのすばらしさ」を啓発し、子育てしやすい環境づくりを応援するものだ。
■コーズリレーテッド・キャンペーンで重要な4つのこと
①見返りを求めないこと
企業の活動は、営業行為であることは、言うまでもない。しかし、社会貢献を行う、コーズリレーテッド・キャンペーンでは、企業が「社会貢献活動に顧客を巻き込む」ことが目的だ。その活動を通して企業姿勢が生活者に伝わり、結果、売上やシェアアップが伴うものだ。見返りを期待していることが表面に出れば、賢い生活者から見放される。
②継続して実施すること
社会貢献は地道で地味な活動である。長く継続することで、企業が応援していることが生活者に認知され、企業が実施していることの認知度が高まる。一方で、社会貢献活動は、単発で解決する問題ではない。解決には、時間をかけた地道な活動が要求される。単発の実施より、地道でもよいから、継続して実施することが望まれる。
③わかりやいこと
企業の社会貢献活動は、生活者に理解させ、生活者を巻き込むことで、より高い効果が発揮できる。そのためには、わかりやすいメッセージが要求される。その企業メッセージに生活者が共感して初めて認知される。そうしたメッセージが伝わることで、生活者は、せっかく購入するなら、社会貢献する企業の商品を買うことにつながる。
④全社で実施すること
社会性のあるコーズリレーテッド・キャンペーンは、広告・販促活動の一環の場合は、宣伝部が主幹部署となるが、全社一丸となって実施すると生活者への認知が高まる。全社員、顧客を巻き込んだ活動が重要である。
3つの切り口で提案する
不況で物が売れない。商品を売るためには、商品に関する分析や競合関係の分析などから、どこに問題があるのかを発見することが大切になる。また、商品分析だけでなく、社会環境を分析することから、販売不振を解決するヒントを発見することもできる。
特に、社会環境の分析による提案では、商品の分析を中心にしているお得意様が気づかないところで、解決の糸口を発見することができる。そこで、提案営業に役立つ「3つの目の付けどころ」を提案する。
<提案の切り口>その1.「徹底的に生活者を絞り込む」作戦
成熟社会では生活者の志向が多様化しており、これまでのような属性を中心とした対象設定では、お客様の琴線に触れることができない。生活者の志向をもっと的確に分析し、独自の視点からの絞り込み提案が必要になる。対象をより特化し、商品を絞り込むことで競合が少なくなる。そして、「オンリーワン」を目指すことができ、より競争力が高まるのだ。
これから目をつける生活者としては、増加するシニア市場では「アクティブシニア層」だ。リタイア後の年金生活者はリストラされないため、最も安定した生活が送れる人達である。その中でも「厚生年金(老齢基礎厚生)+企業年金」のダブル年金受給者こそ、収入も多く、ビジネス対象になる層と言える。「旅行」、「趣味・カルチャー」、「教育」、「健康・美容」、「飲食」などに対する出費が期待される。
次に、ますます増加する単身者層では、「生涯シングル層」である。生涯結婚をしない単身層は、子供がいないため教育費が少なく、自由になる出費も多く、新しい生活行動が期待できる。さらに、団塊ジュニアと言われる購買力が高い「アラフォー」や、この時期に起業を目指す元気な「女性起業家」も注目される。
<提案の切り口>その2.「サービス需要開拓」作戦
成熟社会では、「物」が行き渡り、「物」からの発想では売れない。生活者の出費もサービス支出が増え、40%を超している。
サービス支出とは、「旅行」「趣味・カルチャー」「教育」「スポーツ」「エステ」など、「心を満足させる」出費だ。商品の販売に際しても、商品だけでなく、「商品とサービス」という発想や「新たなサービス需要」を開拓する方法が必要になる。
商品とサービス需要では、『「パソコン」+「パソコンの使い方教室」、「取り付けサービス」、「コンセルジュ」』などがある。教えて販売する方法では、『「楽器」+「楽器を使った音楽教室」』が考えられる。
「コト発想提案」もある。「寝具の販売」が、「コト」発想では、「快眠」をテーマに、「寝具」、睡眠に影響を及ぼす「照明」「音響」が加わり、「寝室」までもが、営業範囲になる。さらに、睡眠を促進させる「食事」、「運動」「マッサージ」などの総合的な提案が可能になる。ギフトの世界でも「体験ギフト」という提案が登場。商品が飽和になり、体験そのものをギフトにしている。
<提案の切り口>その3.「国の施策を活用する」作戦
規制緩和を強化した国策の時代には、人材派遣などの業種が伸びた。政府は「経済成長戦略」の素案を発表。日本が力を入れる環境や、需要拡大が期待される健康(医療・介護)、アジア、観光、科学技術、雇用・人材戦略の計6分野を重点分野と位置づけた。
経済成長戦略は「輝きのある日本へ」と題し、2020年度までの10年間に官民を挙げて取り組むべき中長期的な課題を明記。分野ごとに目標を掲げ、実現するための具体的な施策を列挙し、「GDP比4%以上」の数値目標を掲げた。
こうした政府の施策には、国家予算がつくだけでなく、当該業界の成長が期待される。政府の重点施策の一つである「子育て支援」が実施されれば、子育てに関連するビジネスが脚光を浴びる。一方、国の政策の実現や、時代の変化に合わせて、「法律が改正」される。景表法、独占禁止法、建築基準法、民法などの法律が改正されることで、ビジネスの仕方も変わり、そこでも、提案の切り口となるヒントが発生してくる。そこに目を付ける施策が重要となる。
2010年の日本の経済成長は1%台と言われ、まだまだ厳しい時代が続きます。景気の回復も後半からのようですが、そんな中、今年注目されるプロモーションを5つご紹介しましょう。
「デジタルサイネージ」に大きな期待、屋外で映像効果を発揮する
デジタルサイネージとは、ビルの壁面やショップ、駅構内や公共施設、交通機関など、屋外でディスプレイなどを使って広告を発信する媒体のこと。
JR各線や私鉄の車内に設置された液晶ディスプレイに、ニュースや占い、天気などとともに広告が表示されたり、大都市の駅前や繁華街のビル壁面などに設置されている大型のディスプレイ、駅構内や公共施設の壁面や天井から吊されたディスプレイのデジタルサイネージもある。
この他にも、エレベータ内やコンビニなどの店舗内、スーパーのレジ近辺、駅のトイレ内など、ここ数年でデジタルサイネージがいたる所で見かけられるようになった。
シード・プランニングは、08年の国内市場規模が推定560億円。2015年には1兆円を超える可能性があると指摘しており、「デジタルサイネージ」は、今後、ますます拡大する。
「ツィッター」がビジネスに役立つ
ミニブログ「ツイッター」に注目度が高まっている。ツイッター本の発売も相次ぎ、マスメディアで紹介されることも増えてきた。
ツイッターをはじめとするリアルタイムウェブは、同じ時間を共有した体験を生むことで、ツイッターのユーザーは急伸している。関連書籍の発売が相次ぎ、イベントやセミナーも開かれている。
類似の「つぶやきサービス」が続々登場。女子高生版ツイッターと呼べるものもあれば、企業内でのコミュニケーションツールを目指すサービスもある。何よりも、スピードが嬉しい。マーケティング分野での活用も大いに期待できる。
「返金保証すること」で安心感を植え付け、需要開拓を図る
食べてみておいしくなければ商品代金を返金するキャンペーンで話題となった、ロッテリアの新商品「絶妙ハンバーガー」は大変好調で、売上全体の25%を占めたそうだ。また、この返品率は約0.2%だったという。
さらに、クエンティン・タランティーノ監督・脚本の映画「イングロリアス・バスターズ」も「面白くなければ全額返金」 という4日間限定のキャンぺーンを実施した。返品保証は、商品への信頼性裏付ける効果があり、ブランドづくりや需要開拓に大きな効果を発揮する。
広がる「下取り」、子供靴で「常設」も登場した
イトーヨーカ堂の下取りセールが大人気だ。スーパーや百貨店なども相次いで家庭内の不用品と引き換えに割引券などを提供するようになり、「下取りサービス」は拡大する。
そごう・西武は、西武池袋本店などで子ども靴の常設の下取りコーナーを設置した。消費不振が続く中、顧客呼び込みのための下取りが完全に定着している。下取りはエコにもなるため、生活者ニーズにもマッチしている。
「プレミアム商品券」でお買い得な買い物
日本マクドナルドが、総額約2万円相当の商品と交換できる「『景気をつかもう』商品券」を税込み1万2千円で販売したことや、政府の定額給付金を見込んだ「プレミアム商品券」が各地で発行されて、冷え込んだ消費に刺激を与え、売れ切れるものも登場した。
総務省定額給付金室によると、昨年の7月の時点で定額給付金の給付時期に合わせ、全国で1084市区町村の商工関係団体、地方団体、もしくは両者共同でプレミアム商品券を発行した。 不況で財布の紐が固くなった生活者にとって「プレミアム商品券」はありがたい。
ユニクロ、ニトリ、マックが業績を伸ばす
デフレが進む中で業績を伸ばしているのは、ユニクロ、マック、ニトリなど、低価格路線を追求する小売企業、飲食業だ。
マックは、コーヒー無料キャンペーンや、一回り大きなハンバーガー「クォーターパウンダー」が人気を集めた。ユニクロは、保温性の高い肌着「ヒートテック」や定番商品のフリースが売れたし、低価格ジーンズは低価格競争の火付け役となった。また、創業60周年では大掛かりな記念キャンペーンとして、1万円の現金が10万人に当たる総額10億円還元のラッキーカード配布をはじめ、「記念キャンペーン特別価格商品」などを盛大に実施している。
お歳暮も節約競争地域最安値2千円台ギフト」登場
百貨店やスーパーなどの歳暮商戦でも、「他社より安い」セールスポイントや2千円台のギフトが登場。節約志向を強めている。
「地域で一番安い店」がキャッチフレーズの西友は、自社の歳暮用カタログ掲載商品で、客が持参した他社のカタログの方が安かった場合、同じ価格に下げて販売する。
そごうと西武百貨店は「2000円台ギフト」と名付け、少量の詰め合わせを販売、さらに、大丸は早期申し込みで最大15%を割り引く「冬の特選ギフト」の対象商品を拡大し、値下げ競争で需要獲得を狙っている。
コンビニは「低価格路線」を強化 「200円台弁当」「105円惣菜」登場
コンビニも、節約志向の高まりで売上高が前年を下回り、打開策として低価格の惣菜や弁当を販売する動きが広がっている。
「ミニストップ」はイオンのスーパーで売っている、安いプライベート・ブランドの惣菜を売り出した。「デイリーヤマザキ」はコンビニとしては珍しく200円台の弁当を販売している。
268円均一も登場!激安居酒屋が急増
料理やアルコール類を全品300円以下の均一価格で提供する「激安」居酒屋が急増。食材の一括大量調達や人件費の抑制で、通常より1~2割の価格ダウンを実現している。
料理を5~6品、ビール2杯を飲んでも1人当たり2000円程度となる低価格が、消費居酒屋チェーンのてこ入れ策のようだ。
大手居酒屋チェーン業界では、低価格政策を展開する「金の蔵」、最安の「268円」均一店「厨房うちくる」を展開するモンテローザなどが注目されている。
低価格路線への対応策
不況の中で、低価格化はやむをえない状況だが、低価格政策はコスト削減を伴うから、人件費削減などでお客様へのサービス低下を伴う場合が多い。
こうした低価格路線への対策には、生活者のニーズにあったよりきめ細やかな対応が必要となり、「販売する商品の質・品揃えを強化する」「対象を特化する」「サービスを強化する」などの対応策が考えられる。
1.「販売する商品の質・品揃えを強化する」
量的販売に対する低価格路線に対しては「品質や品揃え」がある。より高品質な商品での対応や販売商品を絞り、そのジャンルでの品揃え強化を図る対策だ。また、セット販売による販売対応もある。
2.「対象を特化する」
価格対策に対応する2つめの対策としては、生活者により密着する戦略がある。販売する商品のターゲットを明確に、ニーズにあった対応を強化することだ。例えば、「単身者向け」「シニア向け」「アラサー向け、アラフォー向け」などがある。
3.「サービスを強化する」
3つめは、「サービス」の強化である。商品だけを販売するのではなく、「商品を届ける」「修理する」「商品の使い方の相談に乗る」などのサービスを強化することで、生活者により役立つお店になることだ。
ネット取引額、08年個人は6.1兆円に拡大、前年比13%増加
経産省がまとめた2008年の「電子商取引に関する市場調査」によると、個人によるネット取引額は6.1兆円と前年比13.9%増えた。宿泊・旅行予約サービスやネットスーパーの利用が好調だった。ただ、景気後退の影響で伸び率や購買単価は減少傾向にある。「不況で外出を控える消費者が増え、低価格商品を検索しやすいネットが好まれたようだ。
ダイレクト・マーケティングの総市場は9兆円規模か
不況でも着実に成長する、ダイレクト・マーケティングの全体市場規模を推定したデータはない。JADMA調べでは2008年の市場規模は4.1兆円あり、経産省調べのECショッピングが6.1兆円ある。両社は、調査方法、対象が全く違うため、単純に合わせることができないが、概略の通販規模を把握するために、両者の数字を合算、重複部分(JADMAのネット通販を25%と想定)を差し引くと、何と9兆円規模にもなる。
9兆円のダイレクト・マーケティング市場は百貨店、コンビニを超える
2008年度の百貨店の売上高は前年比6.8%減の約7兆、一方、全国コンビニエンスストア同年売上高は前年比6.7%増の7.9兆円となった。ダイレクト・マーケティングの市場規模を9兆円と想定すると、百貨店、コンビニを上回る売り上げになったと言える。まさに、ダイレクト・マーケティングが、生活者に完全に定着していることを示している。
ダイレクト・マーケティング成長要因は3つ
成長を続けるダイレクト・マーケティングの成長要因は3つある。
①Webの登場で購入しやすくなったこと
Webの登場がネット通販という新たな販路を作った。これまでのダイレクト・マーケティング顧客が高齢化しつつあったものを通販世代の登場で若返りさせている。さらに、ダイレクト・マーケティングでの購入への抵抗が少なくなったことも、好影響を与えている。
②在宅に居ながら購入できること
不況で在宅者が増え、「巣ごもり消費」が増え、自宅で居ながらにして商品が購入できることがダイレクト・マーケティングの成長に好影響を与えている。
③購入商品の幅が拡大したこと
今や購入商品の幅が急拡大、これまでは、食品、健康食品、化粧品など、比較的限られた商品が中心だったが、百貨店の贈答品利用、ネットスーパーでの買い物、オークションの普及、ネットでの書籍購入など、殆どの商品がネット通販で購入するようになった。
これからのダイレクト・マーケティングには大きな可能性がある
これからのダイレクト・マーケティングは生活者の変化をつかみ、さらに拡大するが、解決すべき課題もある。
①商品支出からサービス支出が急拡大、健康・環境・安全への意識がさらに高まる
市場の成熟化によって、耐久消費財は、殆どの商品が普及し、欲しい商品が少なくなっている。消費は消耗品、日用雑貨、食品などの生活必需品や旅行、教育、趣味・スポーツなどのサービス支出に回ることになる。今や生活者の消費支出の40%以上がサービス支出になっており、「サービス需要」を狙うビジネス、「商品とサービスをセット」したビジネスなどへの注力する必要がある。
②新しい家族が生まれる、家族構成が変化する
家族の形が小世帯化している。今、一番多い家族数は一人で、単身層が3割にも達した。「一人用商品・サービス」「一人向け生活支援サービス」「コミュニケーション対応 ビジネス」「防犯関連グッズ」などが考えられる。また、増加する「シニア向けビジネス」が重要、シニアのライフスタイルに対応したビジネスが可能になる。その他、離婚、シングルマザーなど、新しい生活者にマッチしたビジネスが可能になる。
③ビジネスの業際がなくなる中で成長続けるには、課題解決が急務である
売上低下で苦戦している百貨店業界、成長続けるカテゴリーキラーの構図は、流通業界での業際がなくなりつつある。生活者に密着して成長続けるダイレクト・マーケティングは、あらゆる商品・サービスが可能になる。成長を続けるには、「通販への不満解消」、「継続購入をより効果的に促進する手法」「セキュリティ対策」などの課題解決が重要なことは言うまでもない。
コラボレーションは昔からある営業戦略の一つである。この手法が最近急に脚光を浴びている。不況の中、相互のメリットを生かすことで、最小の費用で最大の効果を狙うことができるからだ。
メーカーと流通が一緒になって実施する垂直型コラボレーションに加えて、地域、売り場などで近い商品が一緒になる水平型コラボレーション、さらに、競合同業者による生き残りコラボレーションが注目を集めている。
共同売り場によるコラボレーション
共通目的や異業種を組合わせた売り場作りによるコラボレーションがある。
例えば「ぶりのしゃぶしゃぶ」をテーマにビール、ポン酢、アルカリイオン水が共同販促を実施した。また、料理、ワイン、ダンス教室を1か所にまとめ、回遊性をもたせることで様々なジャンルに関心を広げる施設も登場している。
競合が手を結ぶ、新しい形のコラボレーション
競合が手を結ぶコラボレーションも登場している。
例えば、日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞グループ本社の全国紙3社によるインターネット共同事業「あらたにす」では、日経、朝日、読売の3紙に掲載されたその日の新聞記事の冒頭部分と社説の要約を載せ、そこから各社のニュースサイト上の記事に移って詳細を読める。各紙の違いを一覧して比べられる。
http://allatanys.jp/
共同仕入れ、共同販促によるコラボレーション
共同仕入れでは、横浜中華街で料理に使う国産野菜の共同仕入れを行う事例がある。
一方、共同販促事例では、通販大手10社がカタログ請求サイト「カタログ倶楽部」を立ち上げた。衣料品や事務用品など90種類のカタログの取り寄せが可能となる。
http://catalogue.tuhan.ne.jp/
いろいろな形で展開されるコラボレーション
最近は、まったく違うものが一つになって新しい需要を創造させ、ヒットしているものもある。たとえば、アサヒとカゴメが共同開発した「トマーテ」はトマトジュースとビールで新しい大人の飲料を生み出し、商品開発と連動してスーパーなどでの販促活動が連携して行われた。
また、2つの商品の組み合わせコラボレーション例としては、ウイスキーとチョコレートの相性の良さを生かした共同棚でのPRがある。
さらに、共通目的をもった企業がブランドを立ち上げたり、コラボレーション同業者が一緒になってブランドを立ち上げる動きもある。例えば、食の安全をテーマに「オーガニック・ギルド」が立ち上がったが、食品メーカーや大手小売業が食材に農薬や化学肥料を使用しない有機食品の開発・販売を本格化するものだ。
http://www.asahibeer.co.jp/tomate/
http://www.organicguild.co.jp/index.html
生活者提案のコラボレーション
生活者が望むライフスタイルを提案することで新しい需要を創造するコラボレーションも増えるだろう。
いわゆる生活者への「コト」提案によるコラボレーションで、「省エネ」ライフスタイル提案 、「美脚」ファッション提案 、「美肌」化粧提案 、「ワンルーム丸ごと生活」提案 、「20代キャリアウーマンのすてきな生活」提案、「団塊世代向け豊かな生活」提案、「元気シニアの生きがい」提案、「メタボリック症候群対策」提案、「快眠対策」提案など、生活者を楽しくするもの、わくわくさせるもの、困っていることを助けるものなど、生活者が「希望するコト」「楽しむコト」などの提案が可能になる。