今月のキーワード

今、社会不安への心配に貢献することを目的としたキャンペーンが話題となっている。
企業が売上によって得た利益の一部を、社会に貢献する事業を行っている組織に寄付する活動を通して、売上の増加を目指す、コーズリレーテッド・キャンペーンと言われるものだ。
その背景には、生活者の社会への貢献意識の高まりがある。生活者の商品購入時における環境貢献意識を調査したところ、「意識したことがある」が7割以上あることが、株式会社ジー・エフの調査で分かった。
こうした社会ニーズに対し、企業が社会貢献事業への積極的な姿勢を示すことで、企業のイメージ向上が期待できる。

■コーズリレーテッド・キャンペーン事例
●アメリカンエキスプレス社「自由の女神修復キャンペーン」
コーズリレーテッド・キャンペーンのさきがけは、アメリカンエキスプレス社「自由の女神修復キャンペーン」である。申し込み手数用や取引額に応じて、寄付するもので、カード加入で1ドル、カード利用1回で1セント寄付するものだ。

●ボルヴィック「1L for 10L」
ボルヴィックの「1L for 10L」キャンペーン。2007年に日本でマリ共和国支援として実施された。お客様のお買い上げ1リットルあたり、10リットルの水がアフリカの井戸から生まれる。

●ピンクリボン活動 
この運動は、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療の重要性を訴えるための活動として、アメリカでスタートした。運動に賛同する企業は、ピンクリボンをあしらった商品を販売し、その売上の一部を乳がん研究団体や支援を行う財団などに寄付する等の支援活動を行っている。

●ネピア「千のトイレプロジェクト」
王子製紙のネピア。東ティモールに千のトイレを作るキャンペーン「千のトイレプロジェクト」を実施。開発途上国の水と衛生の環境改善を目標に、2008年にスタート。毎年一定のキャンペーン期間を設け、期間中の売上の一部をネピアからユニセフに寄付。ユニセフが途上国で進める水と衛生の事業を支援して、世界の水と衛生の問題改善に寄与することを目標としている。

●住友生命「未来を築く子育てプロジェクト」
住友生命は、「未来を築く子育てプロジェクト」を実施している。「エッセイ・コンクール」「子育て支援活動の表彰」「女性研究者への支援」などのさまざまな取組みを通じて「子育てのすばらしさ」を啓発し、子育てしやすい環境づくりを応援するものだ。
Volvic

コーズリレーテッド・キャンペーンで重要な4つのこと
①見返りを求めないこと
企業の活動は、営業行為であることは、言うまでもない。しかし、社会貢献を行う、コーズリレーテッド・キャンペーンでは、企業が「社会貢献活動に顧客を巻き込む」ことが目的だ。その活動を通して企業姿勢が生活者に伝わり、結果、売上やシェアアップが伴うものだ。見返りを期待していることが表面に出れば、賢い生活者から見放される。

②継続して実施すること
社会貢献は地道で地味な活動である。長く継続することで、企業が応援していることが生活者に認知され、企業が実施していることの認知度が高まる。一方で、社会貢献活動は、単発で解決する問題ではない。解決には、時間をかけた地道な活動が要求される。単発の実施より、地道でもよいから、継続して実施することが望まれる。

③わかりやいこと
企業の社会貢献活動は、生活者に理解させ、生活者を巻き込むことで、より高い効果が発揮できる。そのためには、わかりやすいメッセージが要求される。その企業メッセージに生活者が共感して初めて認知される。そうしたメッセージが伝わることで、生活者は、せっかく購入するなら、社会貢献する企業の商品を買うことにつながる。

④全社で実施すること
社会性のあるコーズリレーテッド・キャンペーンは、広告・販促活動の一環の場合は、宣伝部が主幹部署となるが、全社一丸となって実施すると生活者への認知が高まる。全社員、顧客を巻き込んだ活動が重要である。

3つの切り口で提案する
不況で物が売れない。商品を売るためには、商品に関する分析や競合関係の分析などから、どこに問題があるのかを発見することが大切になる。また、商品分析だけでなく、社会環境を分析することから、販売不振を解決するヒントを発見することもできる。
特に、社会環境の分析による提案では、商品の分析を中心にしているお得意様が気づかないところで、解決の糸口を発見することができる。そこで、提案営業に役立つ「3つの目の付けどころ」を提案する。

<提案の切り口>その1.「徹底的に生活者を絞り込む」作戦
成熟社会では生活者の志向が多様化しており、これまでのような属性を中心とした対象設定では、お客様の琴線に触れることができない。生活者の志向をもっと的確に分析し、独自の視点からの絞り込み提案が必要になる。対象をより特化し、商品を絞り込むことで競合が少なくなる。そして、「オンリーワン」を目指すことができ、より競争力が高まるのだ。
これから目をつける生活者としては、増加するシニア市場では「アクティブシニア層」だ。リタイア後の年金生活者はリストラされないため、最も安定した生活が送れる人達である。その中でも「厚生年金(老齢基礎厚生)+企業年金」のダブル年金受給者こそ、収入も多く、ビジネス対象になる層と言える。「旅行」、「趣味・カルチャー」、「教育」、「健康・美容」、「飲食」などに対する出費が期待される。
次に、ますます増加する単身者層では、「生涯シングル層」である。生涯結婚をしない単身層は、子供がいないため教育費が少なく、自由になる出費も多く、新しい生活行動が期待できる。さらに、団塊ジュニアと言われる購買力が高い「アラフォー」や、この時期に起業を目指す元気な「女性起業家」も注目される。
10

<提案の切り口>その2.「サービス需要開拓」作戦
成熟社会では、「物」が行き渡り、「物」からの発想では売れない。生活者の出費もサービス支出が増え、40%を超している。
サービス支出とは、「旅行」「趣味・カルチャー」「教育」「スポーツ」「エステ」など、「心を満足させる」出費だ。商品の販売に際しても、商品だけでなく、「商品とサービス」という発想や「新たなサービス需要」を開拓する方法が必要になる。
商品とサービス需要では、『「パソコン」+「パソコンの使い方教室」、「取り付けサービス」、「コンセルジュ」』などがある。教えて販売する方法では、『「楽器」+「楽器を使った音楽教室」』が考えられる。
「コト発想提案」もある。「寝具の販売」が、「コト」発想では、「快眠」をテーマに、「寝具」、睡眠に影響を及ぼす「照明」「音響」が加わり、「寝室」までもが、営業範囲になる。さらに、睡眠を促進させる「食事」、「運動」「マッサージ」などの総合的な提案が可能になる。ギフトの世界でも「体験ギフト」という提案が登場。商品が飽和になり、体験そのものをギフトにしている。

<提案の切り口>その3.「国の施策を活用する」作戦
規制緩和を強化した国策の時代には、人材派遣などの業種が伸びた。政府は「経済成長戦略」の素案を発表。日本が力を入れる環境や、需要拡大が期待される健康(医療・介護)、アジア、観光、科学技術、雇用・人材戦略の計6分野を重点分野と位置づけた。
経済成長戦略は「輝きのある日本へ」と題し、2020年度までの10年間に官民を挙げて取り組むべき中長期的な課題を明記。分野ごとに目標を掲げ、実現するための具体的な施策を列挙し、「GDP比4%以上」の数値目標を掲げた。
こうした政府の施策には、国家予算がつくだけでなく、当該業界の成長が期待される。政府の重点施策の一つである「子育て支援」が実施されれば、子育てに関連するビジネスが脚光を浴びる。一方、国の政策の実現や、時代の変化に合わせて、「法律が改正」される。景表法、独占禁止法、建築基準法、民法などの法律が改正されることで、ビジネスの仕方も変わり、そこでも、提案の切り口となるヒントが発生してくる。そこに目を付ける施策が重要となる。

2010年の日本の経済成長は1%台と言われ、まだまだ厳しい時代が続きます。景気の回復も後半からのようですが、そんな中、今年注目されるプロモーションを5つご紹介しましょう。

「デジタルサイネージ」に大きな期待、屋外で映像効果を発揮する
デジタルサイネージとは、ビルの壁面やショップ、駅構内や公共施設、交通機関など、屋外でディスプレイなどを使って広告を発信する媒体のこと。
JR各線や私鉄の車内に設置された液晶ディスプレイに、ニュースや占い、天気などとともに広告が表示されたり、大都市の駅前や繁華街のビル壁面などに設置されている大型のディスプレイ、駅構内や公共施設の壁面や天井から吊されたディスプレイのデジタルサイネージもある。
この他にも、エレベータ内やコンビニなどの店舗内、スーパーのレジ近辺、駅のトイレ内など、ここ数年でデジタルサイネージがいたる所で見かけられるようになった。
シード・プランニングは、08年の国内市場規模が推定560億円。2015年には1兆円を超える可能性があると指摘しており、「デジタルサイネージ」は、今後、ますます拡大する。
Photo_2

「ツィッター」がビジネスに役立つ
ミニブログ「ツイッター」に注目度が高まっている。ツイッター本の発売も相次ぎ、マスメディアで紹介されることも増えてきた。
ツイッターをはじめとするリアルタイムウェブは、同じ時間を共有した体験を生むことで、ツイッターのユーザーは急伸している。関連書籍の発売が相次ぎ、イベントやセミナーも開かれている。
類似の「つぶやきサービス」が続々登場。女子高生版ツイッターと呼べるものもあれば、企業内でのコミュニケーションツールを目指すサービスもある。何よりも、スピードが嬉しい。マーケティング分野での活用も大いに期待できる。

「返金保証すること」で安心感を植え付け、需要開拓を図る
食べてみておいしくなければ商品代金を返金するキャンペーンで話題となった、ロッテリアの新商品「絶妙ハンバーガー」は大変好調で、売上全体の25%を占めたそうだ。また、この返品率は約0.2%だったという。
さらに、クエンティン・タランティーノ監督・脚本の映画「イングロリアス・バスターズ」も「面白くなければ全額返金」 という4日間限定のキャンぺーンを実施した。返品保証は、商品への信頼性裏付ける効果があり、ブランドづくりや需要開拓に大きな効果を発揮する。
9_3

広がる「下取り」、子供靴で「常設」も登場した
イトーヨーカ堂の下取りセールが大人気だ。スーパーや百貨店なども相次いで家庭内の不用品と引き換えに割引券などを提供するようになり、「下取りサービス」は拡大する。
そごう・西武は、西武池袋本店などで子ども靴の常設の下取りコーナーを設置した。消費不振が続く中、顧客呼び込みのための下取りが完全に定着している。下取りはエコにもなるため、生活者ニーズにもマッチしている。

「プレミアム商品券」でお買い得な買い物
日本マクドナルドが、総額約2万円相当の商品と交換できる「『景気をつかもう』商品券」を税込み1万2千円で販売したことや、政府の定額給付金を見込んだ「プレミアム商品券」が各地で発行されて、冷え込んだ消費に刺激を与え、売れ切れるものも登場した。
総務省定額給付金室によると、昨年の7月の時点で定額給付金の給付時期に合わせ、全国で1084市区町村の商工関係団体、地方団体、もしくは両者共同でプレミアム商品券を発行した。 不況で財布の紐が固くなった生活者にとって「プレミアム商品券」はありがたい。

ユニクロ、ニトリ、マックが業績を伸ばす
デフレが進む中で業績を伸ばしているのは、ユニクロ、マック、ニトリなど、低価格路線を追求する小売企業、飲食業だ。
マックは、コーヒー無料キャンペーンや、一回り大きなハンバーガー「クォーターパウンダー」が人気を集めた。ユニクロは、保温性の高い肌着「ヒートテック」や定番商品のフリースが売れたし、低価格ジーンズは低価格競争の火付け役となった。また、創業60周年では大掛かりな記念キャンペーンとして、1万円の現金が10万人に当たる総額10億円還元のラッキーカード配布をはじめ、「記念キャンペーン特別価格商品」などを盛大に実施している。

8

お歳暮も節約競争地域最安値2千円台ギフト」登場
百貨店やスーパーなどの歳暮商戦でも、「他社より安い」セールスポイントや2千円台のギフトが登場。節約志向を強めている。
「地域で一番安い店」がキャッチフレーズの西友は、自社の歳暮用カタログ掲載商品で、客が持参した他社のカタログの方が安かった場合、同じ価格に下げて販売する。
そごうと西武百貨店は「2000円台ギフト」と名付け、少量の詰め合わせを販売、さらに、大丸は早期申し込みで最大15%を割り引く「冬の特選ギフト」の対象商品を拡大し、値下げ競争で需要獲得を狙っている。

コンビニは「低価格路線」を強化 「200円台弁当」「105円惣菜」登場
コンビニも、節約志向の高まりで売上高が前年を下回り、打開策として低価格の惣菜や弁当を販売する動きが広がっている。
「ミニストップ」はイオンのスーパーで売っている、安いプライベート・ブランドの惣菜を売り出した。「デイリーヤマザキ」はコンビニとしては珍しく200円台の弁当を販売している。

268円均一も登場!激安居酒屋が急増
料理やアルコール類を全品300円以下の均一価格で提供する「激安」居酒屋が急増。食材の一括大量調達や人件費の抑制で、通常より1~2割の価格ダウンを実現している。
料理を5~6品、ビール2杯を飲んでも1人当たり2000円程度となる低価格が、消費居酒屋チェーンのてこ入れ策のようだ。
大手居酒屋チェーン業界では、低価格政策を展開する「金の蔵」、最安の「268円」均一店「厨房うちくる」を展開するモンテローザなどが注目されている。

82

低価格路線への対応策
不況の中で、低価格化はやむをえない状況だが、低価格政策はコスト削減を伴うから、人件費削減などでお客様へのサービス低下を伴う場合が多い。
こうした低価格路線への対策には、生活者のニーズにあったよりきめ細やかな対応が必要となり、「販売する商品の質・品揃えを強化する」「対象を特化する」「サービスを強化する」などの対応策が考えられる。
1.「販売する商品の質・品揃えを強化する」
量的販売に対する低価格路線に対しては「品質や品揃え」がある。より高品質な商品での対応や販売商品を絞り、そのジャンルでの品揃え強化を図る対策だ。また、セット販売による販売対応もある。
2.「対象を特化する」
価格対策に対応する2つめの対策としては、生活者により密着する戦略がある。販売する商品のターゲットを明確に、ニーズにあった対応を強化することだ。例えば、「単身者向け」「シニア向け」「アラサー向け、アラフォー向け」などがある。
3.「サービスを強化する」
3つめは、「サービス」の強化である。商品だけを販売するのではなく、「商品を届ける」「修理する」「商品の使い方の相談に乗る」などのサービスを強化することで、生活者により役立つお店になることだ。

ネット取引額、08年個人は6.1兆円に拡大、前年比13%増加
経産省がまとめた2008年の「電子商取引に関する市場調査」によると、個人によるネット取引額は6.1兆円と前年比13.9%増えた。宿泊・旅行予約サービスやネットスーパーの利用が好調だった。ただ、景気後退の影響で伸び率や購買単価は減少傾向にある。「不況で外出を控える消費者が増え、低価格商品を検索しやすいネットが好まれたようだ。

ダイレクト・マーケティングの総市場は9兆円規模か
不況でも着実に成長する、ダイレクト・マーケティングの全体市場規模を推定したデータはない。JADMA調べでは2008年の市場規模は4.1兆円あり、経産省調べのECショッピングが6.1兆円ある。両社は、調査方法、対象が全く違うため、単純に合わせることができないが、概略の通販規模を把握するために、両者の数字を合算、重複部分(JADMAのネット通販を25%と想定)を差し引くと、何と9兆円規模にもなる。
Photo

9兆円のダイレクト・マーケティング市場は百貨店、コンビニを超える
2008年度の百貨店の売上高は前年比6.8%減の約7兆、一方、全国コンビニエンスストア同年売上高は前年比6.7%増の7.9兆円となった。ダイレクト・マーケティングの市場規模を9兆円と想定すると、百貨店、コンビニを上回る売り上げになったと言える。まさに、ダイレクト・マーケティングが、生活者に完全に定着していることを示している。

ダイレクト・マーケティング成長要因は3つ
成長を続けるダイレクト・マーケティングの成長要因は3つある。
①Webの登場で購入しやすくなったこと
Webの登場がネット通販という新たな販路を作った。これまでのダイレクト・マーケティング顧客が高齢化しつつあったものを通販世代の登場で若返りさせている。さらに、ダイレクト・マーケティングでの購入への抵抗が少なくなったことも、好影響を与えている。
②在宅に居ながら購入できること
不況で在宅者が増え、「巣ごもり消費」が増え、自宅で居ながらにして商品が購入できることがダイレクト・マーケティングの成長に好影響を与えている。
③購入商品の幅が拡大したこと
今や購入商品の幅が急拡大、これまでは、食品、健康食品、化粧品など、比較的限られた商品が中心だったが、百貨店の贈答品利用、ネットスーパーでの買い物、オークションの普及、ネットでの書籍購入など、殆どの商品がネット通販で購入するようになった。

これからのダイレクト・マーケティングには大きな可能性がある
これからのダイレクト・マーケティングは生活者の変化をつかみ、さらに拡大するが、解決すべき課題もある。
①商品支出からサービス支出が急拡大、健康・環境・安全への意識がさらに高まる
市場の成熟化によって、耐久消費財は、殆どの商品が普及し、欲しい商品が少なくなっている。消費は消耗品、日用雑貨、食品などの生活必需品や旅行、教育、趣味・スポーツなどのサービス支出に回ることになる。今や生活者の消費支出の40%以上がサービス支出になっており、「サービス需要」を狙うビジネス、「商品とサービスをセット」したビジネスなどへの注力する必要がある。
②新しい家族が生まれる、家族構成が変化する
家族の形が小世帯化している。今、一番多い家族数は一人で、単身層が3割にも達した。「一人用商品・サービス」「一人向け生活支援サービス」「コミュニケーション対応 ビジネス」「防犯関連グッズ」などが考えられる。また、増加する「シニア向けビジネス」が重要、シニアのライフスタイルに対応したビジネスが可能になる。その他、離婚、シングルマザーなど、新しい生活者にマッチしたビジネスが可能になる。
③ビジネスの業際がなくなる中で成長続けるには、課題解決が急務である
売上低下で苦戦している百貨店業界、成長続けるカテゴリーキラーの構図は、流通業界での業際がなくなりつつある。生活者に密着して成長続けるダイレクト・マーケティングは、あらゆる商品・サービスが可能になる。成長を続けるには、「通販への不満解消」、「継続購入をより効果的に促進する手法」「セキュリティ対策」などの課題解決が重要なことは言うまでもない。

コラボレーションは昔からある営業戦略の一つである。この手法が最近急に脚光を浴びている。不況の中、相互のメリットを生かすことで、最小の費用で最大の効果を狙うことができるからだ。
メーカーと流通が一緒になって実施する垂直型コラボレーションに加えて、地域、売り場などで近い商品が一緒になる水平型コラボレーション、さらに、競合同業者による生き残りコラボレーションが注目を集めている。

共同売り場によるコラボレーション
共通目的や異業種を組合わせた売り場作りによるコラボレーションがある。
例えば「ぶりのしゃぶしゃぶ」をテーマにビール、ポン酢、アルカリイオン水が共同販促を実施した。また、料理、ワイン、ダンス教室を1か所にまとめ、回遊性をもたせることで様々なジャンルに関心を広げる施設も登場している。

競合が手を結ぶ、新しい形のコラボレーション
競合が手を結ぶコラボレーションも登場している。
例えば、日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞グループ本社の全国紙3社によるインターネット共同事業「あらたにす」では、日経、朝日、読売の3紙に掲載されたその日の新聞記事の冒頭部分と社説の要約を載せ、そこから各社のニュースサイト上の記事に移って詳細を読める。各紙の違いを一覧して比べられる。
http://allatanys.jp/

共同仕入れ、共同販促によるコラボレーション
共同仕入れでは、横浜中華街で料理に使う国産野菜の共同仕入れを行う事例がある。
一方、共同販促事例では、通販大手10社がカタログ請求サイト「カタログ倶楽部」を立ち上げた。衣料品や事務用品など90種類のカタログの取り寄せが可能となる。
http://catalogue.tuhan.ne.jp/

いろいろな形で展開されるコラボレーション
最近は、まったく違うものが一つになって新しい需要を創造させ、ヒットしているものもある。たとえば、アサヒとカゴメが共同開発した「トマーテ」はトマトジュースとビールで新しい大人の飲料を生み出し、商品開発と連動してスーパーなどでの販促活動が連携して行われた。
また、2つの商品の組み合わせコラボレーション例としては、ウイスキーとチョコレートの相性の良さを生かした共同棚でのPRがある。
さらに、共通目的をもった企業がブランドを立ち上げたり、コラボレーション同業者が一緒になってブランドを立ち上げる動きもある。例えば、食の安全をテーマに「オーガニック・ギルド」が立ち上がったが、食品メーカーや大手小売業が食材に農薬や化学肥料を使用しない有機食品の開発・販売を本格化するものだ。
http://www.asahibeer.co.jp/tomate/
http://www.organicguild.co.jp/index.html

生活者提案のコラボレーション
生活者が望むライフスタイルを提案することで新しい需要を創造するコラボレーションも増えるだろう。
いわゆる生活者への「コト」提案によるコラボレーションで、「省エネ」ライフスタイル提案 、「美脚」ファッション提案 、「美肌」化粧提案 、「ワンルーム丸ごと生活」提案 、「20代キャリアウーマンのすてきな生活」提案、「団塊世代向け豊かな生活」提案、「元気シニアの生きがい」提案、「メタボリック症候群対策」提案、「快眠対策」提案など、生活者を楽しくするもの、わくわくさせるもの、困っていることを助けるものなど、生活者が「希望するコト」「楽しむコト」などの提案が可能になる。

■これからは時間マーケットの時代、時間を制することが勝機を得る
今、時間を有効に活用することがビジネスパーソンの必要条件となり、「時間マーケット」が重要になってきている。「深夜や早朝の時間帯にお客様がいるわけがない。」などと、営業時間の古い固定観念にとらわれていたら、ビジネスはできない。早朝や深夜など、今まで経営者が考えてこなかった時間帯を活用して成功している事例がたくさんある。お客様が必要とする時間に、必要とされる商品やサービスを提供する視点があれば、時間の有効活用が可能になる。今まで見過ごしてきた時間帯こそ、新しいマーケットの可能性があり、ビジネスチャンスが期待できる。

■国際化、ネット時代、ライフスタイルの多様化で時間ビジネスが拡大する
時間マーケットが大きなビジネスチャンスになった背景の一つには、わが国の国際化があげられる。世界の国とビジネスを展開していると、世界の時間でビシネスをする必要が出てくるからだ。また、ネット時代が時間概念を変えさせている。少しでも早い情報の提供が新しいビジネスをもたらすからだ。かつては新聞の夕刊は重要な情報源だった。今やテレビ、ラジオからの情報、もっと早いネットからの情報で新聞の夕刊はニュースとしての情報価値が低下してしまっている。ネットでは素早い情報提供が大きな価値を持っている。まさに、時間との戦いがある。さらに、働く主婦が増えたこと、多忙なビジネスパーソンが増えたことで、時間を有効に活用する必要性が高まっていることなども起因している。まさに、これからは時間マーケットが注目される時代と言える。
では、どんな時間が活用できるか。1日24時間しかない。と考えるとビジネスは生まれない。時間の発想を変えることで、新しい時間価値を生む。生活者の目線でその時間をいかに有効に活用するかがビジネス活用のヒントになる。

★早朝時間の活用
朝の時間活用が話題になっている。それは、人間の体調として朝が最も良いことがあげられる。朝型人間がもてはやされている。朝は集中して学習が可能だからだ。朝型は効率よく仕事ができるので、朝型を進める出版物も多い。シニアは目覚めが早く、ラジオ体操を励行している元気なシニアも多い。朝散歩にでるシニアも多い。朝時間.JPというサイトも人気だ。朝をテーマにした時間活用には下記のものがある。
●朝食メニュー提案、●朝型ライフスタイル提案、●早朝セミナー、●早朝ミーティング、
●朝食セットプラン、●朝専食品販売などhttp://www.asajikan.jp/

★昼から夕刻時間の活用
朝に比べると昼から夕刻は中途半端になる。ここにもビジネスの可能性がある。時間的には、昼と午後の3-5時ごろがビジネスチャンスとなる。お店の販売が低下する時間を拡販に結び付ける提案、効率が低下するビジネスパーソンへのお助け提案もある。夜のビジネスに早割タイムとしても重要になる。
●バイクングなどランチタイム活用、●午後の仮眠サービス、●午後のマッサージ、●5時からサービス、●早割サービスなど
5

★深夜時間の活用
夜のビズネスは午後8時から10時が最盛時間となる。その後、急にお客様の来店が減少するための対策が必要になる。お店の営業時間が9時ごろには終了すると、24時間働いている人や深夜に勤務している人へのサービスができなくなる。ここにも、ビジネスチャンスが出てくる。
●深夜割引による需要促進、●深夜営業、●深夜バス、●深夜のディスカウント、●惣菜類など簡単食材販売など
52

★24時間営業、早期対応、期限ぎりぎり対応、時間限定、時間短縮、個人別時間活用提案など
都会では24時間営業が増えている。24時間営業の小型スーパーで新鮮な野菜を買う、単身層も多い。時間指定割引、時間短縮ビジネスもこれから伸びる。また、賞味期限ぎりぎり割引も不況の中で人気だ。個人によって重要時間帯が異なることも新しい時間ビジネスの切り口となる。まだまだ時間は活用できる。 ネット通販でも、時間限定割引策が採用されている。●24時間営業スーパー、●賞味期限ぎりぎり割引、●時間指定・限定割引、●時間短縮など
5324

●「記念日」提案で新しい需要創造を
新しい記念日提案によって、これまでになかった新しい需要創造することができる。バレンタインデー、ホワイトデー、父の日、母の日、敬老の日、孫の日、緑寿(数え66歳になる時に祝うもの)など、記念日を使って、プレゼント需要など新規需要を開拓した事例がいくつもある。
わが国には、日本記念日協会がある。この協会では記念日文化の発展を願い、従来からある記念日はもちろん、新たに誕生した記念日についても登録制度を実施している。
団体、企業、個人で独自の記念日を登録したい方は、記念日の名称・日付・由来などの必要事項を所定の申請書に書いて申し込むと新しい記念日設定ができる。協会に登録することで、社会的な信頼性が確保できるとともに、協会が実施するPRに便乗することも可能だ。

●「知られていない記念日を活用した施策のヒント」
すでにあるものの、まだあまり知られていない記念日を活用し、生活者の潜在需要を喚起することで、新しい市場を育てていくことができる。
例えば、「さくらの日」(3/27)花見需要をはじめ、さくら色商材のフェアを実施する。 スイーツ、菓子などの商材を取り上げる。 3×9(さくら)=27の語呂合せと、72侯のひとつである「桜始開」が重なる時期でもある。
「しろの日」(4/6)「くろの日」(9/6)、白、黒色をテーマにしたMD展開を実施する。白の場合、白系の食品(乳製品・白ワイン)をはじめ、美白化粧品、白物家電などや、ホワイトカレー等、新メニューにも注目する。
「恋人の日」(6/12)親子の日」(7月の第4日曜日) 恋人の日は恋人同士へのペア販売、ギフトなどで訴求する。 親子の日は、親子で作るメニュー提案や親子で楽しむゲーム、イベントを実施することで需要喚起ができる。
「100円玉記念日」(12/11)は菓子や菓子パン、パーティーグッズなど、ワンコインで訴求する。不況で価格訴求が重要な時期なので、100円玉記念日は大いに活用できる。
「ビヤホールの日」(8月4日)を活用して、ビールにちなんだイベントを行い、需要の活性化を行っているお店もある。

1_2

●「新たな記念日を創造し、需要創造する」
自社商品にふさわしい新たな記念日を設定し、記念日を活用することで、新しい需要創造が可能になる。例えば、今年、左利きの日が2月10日に誕生した。左利きグッズを通じて左利きグッズの使いやすさと、楽しさを知ってもらうことを目的に、2月10日を、「0(=レ)2(=フ)10(=ト)=レフト=左利き」という語呂合わせから「左利き用グッズの日」とした。その記念してイベント開催るすなど、左利き商品の販売促進に貢献している。

●「記念日」提案活用のメリット
1.新規需要を創造することができる
最大のメリットは、記念日に合わせて、新しい需要を創造することができる。
2.話題づくりができる
PR効果も大きい。イベントなどを通して話題を提供することができる。
3.継続的なイベントとすることができる
一度実施すれば、毎年、継続的に実施することができる。
その記念日が社会に定着すれば、大きな需要促進になる。

sun販売を精神面でバックアップし、売上拡大に貢献する「コンシェルジュ」

コンシェルジュとは、ホテルのロビー付近などに待機し、観光客へショッピングのアドバイスや、観光地への行き方などを説明する職業のことを指す。

そのコンシェルジュとして「お客様へ専門家としてアドバイス」を行う発想が、今、ビジネスの場で、積極的に活用され、販売をバックアップしている。

コンシェルジュは、その道の専門家として、お客様目線に立った商品の選び方のサゼッションや、使い方提案や楽しみ方提案などを行うことで、「何を購入したら良いか、悩んでいる」お客様に購入の背押しをするものである。米国では、新しいスタイルのコンシェルジュとして、コンドミニアム、航空会社、デパート、テレホンサービス、銀行、ショッピングセンターなどの多くの分野に登場し、販売の後押しに成功している。

sun日本でのコンシェルジュを活用している業種とは

日本でコンシェルジュを活用している業種は、百貨店住宅ガーデンライフ自動車販売、ペット販売、きもの、資産運用、ケータリング、Web、街案内など、多くの業界に及んでいる。

例えば、百貨店では「コンシェルジュ」は、顧客にファッションの楽しみ方を提案している。

豊富なブランド情報と商品知識を駆使するコンシェルジュが対応し、お客様のお買い物を手助けしている。

また、住宅業界のコンシェルジュはマンションの居住者様向けのサービスに注力している。

心のこもった対応だけでなく、コンシェルジュによるホテルにいるような質の高い対応と細やかな配慮はこれからのマンションの形を変える新しい価値観といえる。

通販などでは、説明が必要な商品、使い方のサゼッションが必要な商品にはコンシェルジュを活用することによって、需要拡大の可能性が高まるといえよう。

sun「コンシェルジュ」活用のメリット

コンシェルジュを活用することで、導入期から成長期にある高額な商品・サービスや、趣味性の高い商品・サービスは、より販売を推進する効果が期待できる。また、成熟期で販売が伸び悩んでいる高額な商品・趣味性の高い商品・サービスも、新しい使い方提案や楽しみかた提案を行うことで、新たな需要創造を行うことができる。

コンシェルジュ活用成功の秘訣は、高い専門性とお客様目線

1.コンシェルジュに高い専門能力や説得力があること

お客様に納得のいく説明ができる高い専門能力や説得力がないと成功しない。

2.コンシェルジュへの信頼性を高めること

お客様への告知やPRでコンシェルジュの信頼性を高める必要がある。

3.お客様の目線に立って相談にのること

コンシェルジュが自社商品を売る目線になると、押し売り営業になり、お客様からの信頼を失くす。あくまでも、お客様の立場に立った目線が重要である。

----------------------------------

この情報は、企画書づくり本ヒット著者、富田眞司がマーケティング・プランナーの目線で、商売のヒントになる情報をお届けします。

景気刺激策への「便乗ビジネス」で、商売繁盛を狙う

 不況で商売が厳しい。景気回復は簡単にはいかない。そのため、政府は景気対策に必死だ。定額給付金、ETC搭載車高速道路休日1000円乗り放題などの施策が明るい話題となっている。これらの施策は長期的な景気回復には及ばないが、短期的な効果は期待できる。定額給付金には、いくつもの便乗ビジネスが登場、話題をまいている。
「旅行」「食事」「買い物」・・など、消費に結びつけるための施策を各社が打ち出した。例えば、旅行や旅館業界では1万2000円の「定額給付金プラン」が続出、ヒットしている。
 なかでも「プレミアム商品券」が人気だ。これは、額面金額に一定の金額を上乗せした商品券で、上乗せされた割増率の分だけ、得になる仕組みだ。地域限定の条件をつけることで、商店街など地元の消費活性化にも結びつく。こうした話題をうまく商売に活用するのが「便乗ビジネス」である。

「便乗ビジネス」のメリットは大きい

 「便乗ビジネス」は、「ブーム」「話題」「エポック」などがヒントとなって生まれる。メリットは、話題に便乗するため、実施内容への認知や理解が高いだけでなく、成功事例があるため、失敗の危険も少ないことがあげられる。まさに、PRをかけなくても、話題づくりができる。景気が厳しいこの時期、「便乗ビジネス」こそ、活用すべき手段と言える。

●「便乗ビジネス」になる話題は探せば、沢山ある

 「便乗ビジネス」は、「ブームとなる明るい話題や出来事」を探すことが決め手となる。今は不況のため、豚による新型インフルエンザ流行など暗いニュースが多く、これは便乗価値がない。だから、政府の不況対策に期待がかかる。また、こんな不況でも、元気な商売もある。ヒット販促もある。庶民の話題もある。要は、話題やブームから「便乗ビジネス」をどのように発想するかがカギとなる。
 例えば、今、販促では、「下取り制度」が話題になっている。最初はあるスーパーが始め、成功したものだが、そこに目をつけ、多くの「便乗ビジネス」が登場した。洋服、靴、鞄、下着、家電、住居用品など、あらゆる商品が便乗ビジネスを実施し、どの商品も結構ヒットしている。また、ポイント制度は、最初は航空会社が始めたマイレージを多くの業界が便乗し、今や、殆どの業界に浸透し、必要不可欠な施策となった。さらに、今、国までが便乗、「エコポイント活用によるグリーン家電普及促進事業」に注目が集まっている。

●「便乗ビジネス」の成功は、知恵の見せ所である

 「便乗ビジネス」を成功させるには、3つの知恵が必要となえる。

1.世間の話題を探し、便乗のチャンスを狙う。
 話題やヒットなど情報収集に注力する。情報収集力が必要になる。

2.何に便乗するかをひらめく。
 対象商品・サービス、売り方など、自社で便乗できるものが何かを発見する。

3.スピードが重要になる。
 「ザ・スナー、ザ・ベター」という言葉がありように、話題になっている時期に素早く実施しないと効果が薄れる。

1_2
(写真:プレミアム商品券)